サハラ砂漠でヘアカット! -旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.8モロッコ王国編-

マラケシュの次に向かった場所はサハラ砂漠のすぐ近くにある“メルズーガ”という小さな村です。もちろん“サハラ砂漠”を見るためです!

 

僕は砂漠でやりたいことが2つありました。1つは誰かの髪を切ること、もう1つはギターを弾くことです。着いた日に、まずはギターを担ぎ砂漠へ行ってみることにしました。街を外れ、ちょっとした林を抜けるとすぐ砂漠です。実際目の当たりにすると「白いなぁ」というのが最初の感想でした。遠目に見ると赤く見えるので、てっきり赤いのかと思っていましたが違いました。遠くからは青く見える富士山みたいなものなんでしょうか?

 

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目の前にはいくつも砂の山があります。とりあえず一番高い山のてっぺんでギターを弾こうと思い、頂上を目指します。 写真だと残念ながら全然伝わらないのですが、かなり山あり谷ありなんです。しかも一個一個山が大きいので、目の前の山にたどり着くまでに時間がまあまあかかりました。

 

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しばらくしてだんだん背中に背負ったギターが重く感じてきたころ、足を止めて後ろを振り返ってみたんです。あ~足跡がすごーいなんて思ったタイミングであることに気がつきました。

 

 

“自分の呼吸の音がはっきり聞こえる”

 

 

普段生活する中で自分の呼吸の音を聞くことってありますか? 砂漠は完全なる無音の世界だったんです。人の声も、風の音も、車の音も、草木が揺れる音もなんにもない。今までは歩いていたから気が付かなかったけど、この無音の世界で聞く自分の呼吸の音の大きさに気づいたときには心底びっくりしました。

 

最後の山は傾斜が本当に急で這いつくばるようにしないと登ることができなかったんですが、そこを登りきって見た景色は本当に本当にすごかったです。こんな広大な砂の世界を生きてるうちに一目見ることができてよかった。これが砂漠なんだ…と心から感動してしまいました。

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頂上で景色を眺めていると”この砂漠には動くものがない”ということにも気がつきました。いくら見ていても完全に1枚の静止画を見ているかのようで。

 

誰もいない、何もない、水もない、草もない、音もない。

 

そんな不思議な砂の世界で唯一動くものが僕一人。 声を上げ、ギターをかき鳴らす…凄く貴重な経験でした。

 

「ヘーイ、俺も髪切ってくれよー」

 

翌日、宿で魔法使いみたいな格好したおっさんの髪を切っていたのを見た宿のスタッフに声をかけられました。「あ!」と思い立って砂漠で切るのはどうか? と言ってみたところ、快くオッケーしてくれ、二人で砂漠へ。

 

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ちょうどよさそうな砂の山の上に座り、カット。自分でやっときながら、こんなところで人の髪をカットしてるのが自分でも信じられず、なんだか不思議な感覚に。もちろん終わったあとは綺麗に掃除しました。

そんなサハラ砂漠での貴重な体験談でした。またいつか行きたいと思います。

 

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