美容師のやりがいはどこにある? Peopleと歩んだ13年。加藤梨奈さんの学びの原動力は、大切なお客さまとの関係を繋ぐこと―天職WOMAN―

新卒で入社したpeople(ピープル)に13年間在籍し、スタイルづくりや学び方を更新し続けながら、自分らしいキャリアを積み重ねてきた加藤梨奈(かとう りな)さん。
美容師を志したきっかけは、髪を通して人の人生に寄り添い続けた母の姿。節目ごとに信頼を重ね、長く伴走する働き方を理想と信じて、学びとアップデートを止めずに現場に立ち続けてきました。
変化の多い時代の中でも、“人と向き合う仕事”の本質を見失わずに歩み続ける加藤さんの現在地と、これから描く未来について伺いました。
とにかく金欠……!? 厳しい中でも周りからの愛に溢れたアシスタント時代

私の母は美容師で、小さい頃からその姿を間近で見て育ちました。そんな母とお客さまの長く続いていく関係性に憧れて、自分も美容師になろうと決めました。
専門学校を卒業して、peopleができて2年目のタイミングで新卒入社。それから13年、ずっと同じサロンで働いていることになります。
オープンして1年の新しいサロンを就職先として選んだのは、今も一緒に働いている菅藤(ひとみさん・peopleクリエイティブスタイリスト)を一目見て憧れたからなんです。初めてお店に行ったときに、菅藤のファッション、明るさ、雰囲気、すべてが素敵で「こんな美容師になりたい!」と直感的に思いました。

アシスタント期間は丸3年ほど。毎朝レッスンをして、夜は毎日終電までモデハン…といういわゆる美容師らしい毎日でしたが、不思議とあまり辛くなかったんですよ。今思えば、周りの先輩やスタッフが、寄り添ってくれていたからだと思います。忙しくても夜は先輩がご飯に連れて行ってくれましたし、定期的に行われていた撮影会のあとも、サロンのスタッフ全員で食事に行くので、どんどん関係性が深まっていきました。
ただ、当時はまだ今ほど環境が整っていなかったこともあり、福利厚生や待遇面では少し苦労しましたね。おしゃれなものを着たいけど服がないし、とにかくお金がなかった(笑)。先輩もそういう状況をわかっていたから、よくご飯を食べさせてくれていたんでしょうね。

入社からこれまで、peopleが大好きという気持ちに変わりはありません。ただ、実は過去に1度だけ本気で退職を考えたことがあります。私は質感を活かしたナチュラルで少しエッジの効いたスタイルを打ち出していますが、デビュー前に、一時期モードなスタイルに惹かれたタイミングがありました。そのとき、「私が目指すスタイルは、サロンと方向性が合わないかも」と、辞めることを考えたんです。それを会社に伝えたところ、「“peopleっぽい”とか、そういう型に自分を押し込めなくていい。やりたいことをやればいいよ」と言われて留まりました。その時にも、やはり周りからの愛を感じましたね。
>かわいさの正解は一つじゃない。それがスタイル作りの何よりの楽しさ