木村直人さん、なんで独立しないの？
幅広い分野で起業したい。で、美容の運営はそのひとつ
－もし、木村さんがairに就職していなかったら、独立していたかもしれないと思いますか？
もしかしたら独立していたかもしれないですね。ただ、美容師って技術職だし、その実力に自信はないし、頂点だなとか考えたことはないんですよね。そういう意味で、独立というラインを踏み越えられるほどの自信は、airに就職した当時もなかったかもしれない。
－先ほど、現状に満足しているとおっしゃっていましたが、木村さんが独立したくないairという会社としての魅力は？
事業の領域が広いことですね。エステ、ネイル、講演活動、商品開発…と仕事の領域幅が広いから、いろいろなところでパフォーマンスを発揮できるところがあるのが魅力だと思います。
ぶっちゃけていうと、自分の中では諸々、終わったんですよね。独立って、自分のサロンを持つことだけど、それだけなんですよ。それってすごく狭くないですか？ 僕は、シリアルアントルプレナー（＝いくつものベンチャー事業を立ち上げる起業家）というか、いろいろなところに渡って起業するというか、美容師の運営もそのひとつという立場で、さまざまな仕事をしていきたいなと思っているんですよ。
－では、そういう仕事の仕方をするために、airを離れることもありうるということですか？
離れなくてもやっていけると思うんです。株主として入るだけでもいいし、顧問として入るだけでもいいし、とにかく、いろいろな企業の人と関わりながら仕事をしていきたい。実際、今も、airのディレクターであり、IMCというグループ会社のウェブプロデューサーでもあり。社をまたいで仕事をすることが多いので、そういったことが性に合っているんだと思います。
“木村直人”というブランドが確立すれば組織に頼る必要はない
－もし木村さんが起業するとしたら、美容業界で？
そうですね。厳密に言うと、美容に関連する事業って感じですかね。僕、美容業界っていう言葉が好きじゃないんです。そういうことってくだらないって思ってしまうので。
－“業界”という言葉を使うことで、逆に動ける範囲を狭めてしまっているのかもしれませんね。ところで、木村さんが今、興味を持っていることはなんですか？
移住ですね
－移住？ 移住と美容と関連付けるとしたら、どんなことができそうですか？
関連付けるまでもなく、今はハサミとスマホさえ持っていれば髪は切れるじゃないですか？ たとえば僕が東京から鳥取へ移住しても、僕に髪を切ってもらいたいお客さまは、僕のいる鳥取へきてくれる。つまり自分が強くなれば、人は集まってくるんですよね。
