クリーニング店が教える、カラー剤のシミ抜き下処理方法

お仕事中、洋服にカラー剤がうっかりついてしまったことありませんか? そんな時に限って、頑張って買った高いアイテムだったり、お気に入りの古着だったり…。

今まではカラー剤が付着してしまったら捨ててしまう人も少なくなかったはず。しかし、クリーニングに出す前に下処理を施せば、もしかしたらお洋服が復活するかもしれません!

今回はクリーニング界でも落ちないとされる“白髪染め”が洋服についてしまったと仮定し、クリーニングに出す前にすべき下処理の方法をクリーニング業界最大手の白洋舍にお伺いしてきました。

 

※今回の記事は100%シミ抜きができることを紹介しているのではなく、クリーニングのシミ抜きが落ちやすくなるための下処理を紹介する記事です。

洋服の素材、カラー剤の量、下処理までかかった時間、クリーニング店に持って行くまでにかかった時間によってはクリーニング店でも落ちないことがあります。

 


 

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シミ抜き方法をレクチャーしてくれたのは、白洋舍でシミ抜きを担当して15年。現在では全国の白洋舍の支店にいるシミ抜き担当へ、シミ抜きの講師・指導を行っているシミ抜き指導員の菅谷さん。

 

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〈左から〉

綿100%のオックスフォードシャツ

ポリエステル86% ナイロン14%の化学繊維のブラウス

ウール90%・カシミヤ10%のニット

 

以上の3型でシミ抜きレクチャーをしていただきました。

 

まず、シミ抜きをする上での3つの大切な基本。

 

①とにかくシミ抜きは早く処理すれば落ちやすくなります。

②こすったら、シミが広がったり、生地が傷みます。絶対にこすってはいけません。

③シミがついてしまったところにタオルを当てて、叩いてタオルに汚れを移すように落としましょう。

 

  綿100%のオックスフォードシャツの場合

 

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綿100%のものに関しては洗濯ができるため、落としやすい繊維です。

 

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まず、シミがついてしまったところに厚めのタオルを引きます。

背中までしみないように、タオルの下には後ろ身頃が重ならないように置きます。

 

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お湯中性洗剤(市販の洗濯用洗剤)を混ぜます。

(配合はラベルに記載されている通りの配合量より少し濃い目に配合)

その混ぜたものを硬めのブラシ、例えば歯ブラシにたっぷりつけて叩きます。

この時にこすらないように注意してください。

 

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 赤く丸で囲ったところが叩いて汚れを落としたところです。

その後、中性洗剤の原液を汚れている箇所に直に塗布して、洗濯機で一回洗ってください。その後クリーニング店に持ち込んでいただくと、何も処理をしていないものに比べて、シミが落ちやすくなります。

 

  ポリエステル86% ナイロン14%の化学繊維のブラウスの場合

 

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化繊も綿100%のシャツ同様です。特にポリエステルは落としやすいので、シミも抜きやすいです。

 

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お湯に中性洗剤を混ぜたものをブラシにたっぷりつけて叩きます。この時もタオルを引くのを忘れないようにしてください。

 

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その後も同じく一度洗濯機で洗ってから、クリーニング店に持ち込んでください。

ただし、化学繊維で注意してもらいたい素材がレーヨン

レーヨンは着心地がよく、ドレープが出やすい素材なので、婦人服でよく使用される繊維です。反面、水洗いで縮みやい繊維なので、お湯中性洗剤を混ぜたもので、叩くと縮んでしまう恐れがあります。

※レーヨンは、水洗いができず、ドライクリーニングでないと洗うことができません。

レーヨン混の洋服についてはだけをブラシにつけて叩いて処理したものを持ち込んでください。水で処理する際も、水のつけすぎには十分、注意しましょう。

 

  ウール90%・カシミヤ10%のニットの場合

 

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一番落としにくい繊維はウールやシルクなどの、動物性繊維と呼ばれるものです。またこういったものは手洗いNGの製品が多いので、必ず洗濯表示を確認しましょう。

 

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・手洗いOKの場合

手洗いOKの製品については、に、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を入れたものをブラシにつけて叩いてください。その後、おしゃれ着洗い洗い用の中性洗剤を使って、洗濯機のウール用コースで洗濯するか、手洗いをしましょう。

 

・手洗いNGの場合

レーヨンと同じくのみをブラシにつけて叩いて落としてください。

また、カラー剤のハネくらいなら、ウール製品は毛羽立ちがあるので、ブラシで叩く前にティッシュで汚れだけすくうように処理すれば被害が最小限でおさまるかもしれません。その場合はこすらないように注意しましょう。

 

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・手洗いOKの場合

おしゃれ着用洗剤で、軽く洗ってクリーニング店にお持ち込みください。

 

・手洗いNGの場合

ブラシである程度落としたら、早めにクリーニング店にお持ち込みください。

 

 

〈美容師シミ抜きあるある〉

接客中、すぐにシミ抜き処理ができない場合…

 

クリーニング店としてはいち早く下処理をして、お持ちいただきたいのが本音ですが、どうしてもすぐに落とせない場合は、シミがついた部分に乾いたタオルをのせてください。

・タオルに汚れを吸わせて、シミの広がりを最小限に防ぐ

・汚れが乾くことを防ぐ

 

特にシミというのは乾いてしまうと、繊維と汚れが密着してしまい、シミ抜きが困難になりますので、応急処置としてタオルをのせてください。

 

古着やゆずってもらったもので、品質表示タグがない場合…

 

品質表示タグがない場合、どんな繊維が使われているのかが不明瞭です。

とりあえずだけで処理をし、洗濯機で洗わず、クリーニング店にお持ちください。

 

>番外編、化粧品、食品をこぼしてしまった場合…

 

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