初登場!マルチに活躍するフリーランス美容師・山崎健吾さんが進んできた道、そしてこれから目指す美容業界の未来【前編】

地元・福島で、デザインカラーを売りにしてインスタ集客

 

 

福島のサロンには3年いたのですが、デザインカラーを売りにしていました。これは戦略とかではなく、純粋にカラーが好きだったんです。まだバレイヤージュが一般に広く支持される前でしたが、ハイライト推しでインスタに写真を投稿して集客しました。

 

海外のインスタを情報源として常にチェックしていたので、それを見て練習して、お客さまに提案して実践というのを繰り返していましたね。僕のインスタを見て新規で来られる方も多く、「デザインカラーをやっているサロンがないので来ました」と言われることもあって。とにかくお客さまの要望に応えたいという気持ちで、試行錯誤しながら積極的に挑戦していた時期でした。

 

当時はインスタで発信している美容師が周りにいなかったのですが、僕はフルに活用しましたね。その時のフォロワーは1000人くらいでしたが、新規客は毎月50人ほどで、売上の数字は順調に伸びていきました。そして全店舗で業績1位も獲得し、技術面での自信もついてきて。「これは東京でも戦えるんじゃないか?」と思うようになっていきました。

 

 

ちょうどその頃、結婚して子供が産まれたんですね。将来的な選択肢を広げるためにも、東京で挑戦するなら最後のチャンスかなと考えるようになって。美容師の妻は育児休暇中で、上京するとなるとサロンを退職する必要がありました。普段は寛大な妻も、最初は断固拒否でしたね。理解してもらうために何度も妻に対してプレゼンをして、20回目にOKをもらったんです(笑)。

 

再び家族で上京。半年後、顧客ゼロでフリーランスになる

 

 

東京に行くなら有名店で働きたいと思い、インスタ運用に長けた都内の人気店に正社員として入社しました。そこはみんな技術レベルもプロ意識も高くて、常に行動する人ばかりで刺激を受けましたね。最初はカラー剤が変わったことで慣れるまで苦戦しましたけど、本当にたくさんの学びがありました。

 

僕の情報発信を美容師向けにシフトしたのも、この時期です。インスタのフォロワーが2000人から伸びず、最初はみんなと同様にヘアアレンジの動画を投稿していましたが、「自分よりうまい人がそれをたくさん投稿しているのに、誰が僕の写真を見るの?」と疑問に感じていて。それでカラーの技術動画をアップしてみたところ、美容師のフォロワーが増えてあっという間に1万人までいったんです。そこから職人気質全開で美容師向けに発信していきました。

 

 

このサロンには半年お世話になり、フリーランスになりました。その理由はいろいろありましたが、もっと自分に合うやり方だったり、自分らしいキャリアの形を模索しようと思い始めたことがきっかけです。セミナーもやりたかったので、自由に動ける体制を整えたいという思いもありました。

 

それでフリーランスになったわけですが、メニューの料金を2.5倍上げての再スタートを決めたので、お客さんには言いづらくて退社の旨だけを伝えたんですね。なので、顧客ほぼゼロでフリーになったんです(笑)。

 

最初の頃は、お客さんがいないからめちゃくちゃ暇でした。生活費を稼ぐために、毎月半分は福島に戻って面貸しでサロンワーク。以前働いていた福島にはたくさんお客さんがいたので、以前勤めていたサロンの繋がりで場所を提供してもらっていました。同時に、セミナー活動などサロンワーク以外の仕事も始めました。メディアプラットフォーム『note』の執筆、それに付随してカラーレシピの販売、それから商品開発・販売にも挑戦したり、インスタマーケティングのコンサルのような仕事も始めました。

 

昨年9月に、オンラインスクール『HAIR COLOR ACADEMY』をスタートさせました。今は活動の主軸がオンラインスクールで、サロンワークは週2〜3日。だから、結構時間があるんですよ。ただ、これから実店舗を出店予定なので、そっちで忙しくなるかなと思います。

 

(後編に続く)

 

プロフィール
山崎健吾  フリーランス美容師

1992年、福島県生まれ。山野美容専門学校を卒業後、都内のサロンに就職して1年半でデビュー。腕を上げて地元の人気サロンに転職し、250名のスタッフで営業成績トップを獲得。3年後、子供が産まれたことを機に家族で再度上京し、人気サロンで働きながらカラーの技術をさらに高め、SNSマーケティング、色彩学、心理学を習得。半年後の2019年、フリーランス美容師になり、臨店講習・セミナー活動やオンラインスクール運営、コンサル、YouTubeなど幅広く活動中。

Instagram: @ kengo_yamazaki_

 

(文・織田みゆき 撮影・松林真幸、トカジショウタ)

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