〝経営のノーベル賞〟と言われる日本経営品質賞を受賞
これまで数々の経営賞を受賞してきたオオクシだが、今年は日本経営品質賞(競争力強化に向けた生産性向上を目的に、顧客価値を創造し続けるための革新能力を認める賞)を受賞した。美容業界では初のことである。こうした賞を受賞する根底には、「理美容業界だから」という甘えを許さず、働き方や労働環境などを現代の時流に合わせて改革改善していくやり方だ。オオクシは、コロナ禍にあっても過去最高の売上げを記録する勢いだ。
「新型コロナの流行を経て、お客さまのニーズが変わったのはたしかです。それを敏感に察知し、一つずつ見直すことが売上や再来店率につながったのだと思います。新型コロナが克服され、世の中が元に戻ったとき、もう一度ニーズは変化するはず。そのタイミングを見極めることが重要になると思っています」
売上げ更新のためには、オオクシのような教育型のレギュラーサロンでは、店舗スタッフのチームワークが欠かせない。その中で美容師たちはどのように個性を発揮すればいいのだろうか?
「個性を活かすことは大切ですが、利己的に発揮するのではなく、チームワークの中で活かしてほしいです。例えば、売上を持っているからといってワガママになったり、誰かを言いなりにさせるのではなく、周りの人がより良くなる影響力を持ってほしい。言うならば、誰の思いどおりにもならないことこそが、皆の個性が活かされているという証拠なのかもしれません。かく言う私も、社長とはいえ自分の思い通りにならないことばかりです(笑)。だって、会社の売上や利益は、すべてスタッフにわかるようになっていますから」
収益のためにも人材育成のためにも常に改革改善が必要
オオクシは早い段階から美容業界でPOS レジを導入したことで有名だが、これからはDX(デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術を活用して暮らしやビジネスをより良いものに変革すること)化も推進していくという。なぜここまで改革改善にこだわるかというと、他ならぬスタッフのためだ。
「収益を上げてスタッフの給料を上げるというのは社長の使命ですが、会社として体力がなければ、スタッフの成長にスポットを当てることもできないからです。美容師としても人としても、施された教育が結果となって表れるには、数年単位の時間が必要です。オオクシには、その時間を待ってあげられるだけの余裕があります」
危機を乗り越えるときは世の中の手本になるレベルで取り組む
これからの時代、美容師として人としてどんな素養を持っていくべきだと大串は考えているのだろうか。
「オオクシでは、『誰が何をしたのか』の『誰』の部分を大事にしています。同じことをやっても、どんな人がやったかによって見え方や価値は変わるもの。『すばらしい人がやるから価値があるんだ』とお客さまに思っていただけるような美容師が生き残っていくでしょう。
加えて、今は新型コロナの影響が大きいですが、それに限らず、いろいろな種類の大変さを乗り越える力を身につけておかなくてはいけません。そのためには、自分が起点になり周りを引っ張っていくという気持ちを持つことが大事。人がやっていることをまねするのではなく、誰もやっていないことをやろう。そういう気持ちを
持ってほしいです」
実はオオクシにはこうした大串の言葉をまとめた門外不出の『フィロソフィー』が存在する。美容師としての在り方、仕事との向き合い方、メンタルを向上する方法など、大串が二十三歳の頃からコツコツと執筆し、まとめ上げてきたものだ。全スタッフに配られるものだが、これとは別に、コロナ禍での取り組みを事細かに記録し事業報告として残している。
「いつの世でも、世の中のお手本になるように危機を乗り越えたい。この資料が、いつか次の危機が訪れたときに必ず役に立つはず。私は経営者として、次の世代の手本になる存在でありたいんです」大串は最後にそう締めくくった。
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