自由と安定を兼ね備えるハイブリッドサロン

古くから美容業界は正社員雇用型のサロンがベースとなり、師弟関係によって技術が継承されてきた。そして、技術が成熟してきた数年前からは業務委託サロンが台頭。しかし、昨今の新型コロナの影響により、美容業界は再び大きな転換期を迎えたと山本は言う。

「業務委託サロンへ『自由』を求めて流れた美容師も、再び『安定』を求めて雇用型サロンへ戻り始めています。結局は『自由』と『安定』はどちらも欠かせないということ。雇用型サロンレベルの教育環境と待遇、そして業務委託型サロンレベルの自由。Tasty が目指すのは、どちらも兼ね備えたハイブリッドサロンです。本当に働きやすい環境を用意することがサロンのあるべき姿ですからね」

年々、新卒採用数を増やし続けるTasty では、雇用型サロンとして教育水準を高めるために、今年四月にレッスンスタジオ併設のサロンを三国ヶ丘にオープン。専任の外部講師による営業時間内レッスンを可能にした。そして、スタッフの自由を尊重するために、学び方・働き方にも工夫を凝らす。

「決まったレッスン日は設けず、個々のペースで成長してもらっています。もちろんどんなスタイリストになりたいのかも自由。デザインカラーが得意な子もいれば、ショートカットを武器にする子がいてもいい。デビュー後も社員雇用、完全委託、パートタイムなど働き方を自由に選べる環境を整えています」

スタッフのポテンシャルを信じるからこその自由。自由があるからこそ、大切にできる自分らしい生き方、働き方。あなたの描く理想の美容師生活をスタートできる環境が、Tasty にはある。

自由な環境が自主性を育てプロとしての責任感を生む

スタッフの自由を寛大な心で認める山本。そして、その自由こそが次世代美容師に必要なある力を高めるという。

「自由な環境は『自分で考えて行動する自主性』を育てます。師弟関係が薄まりつつある美容業界では“強制的に学ばせる”といった環境は、次世代を担う若いスタッフにもミスマッチ。そして、今はYouTubeやInstagramなど多方面から技術を学べる時代。個々の自主性を尊重し、学びたい技術を磨いていく方が成長スピードは圧倒的に早いもの。“自ら学びにいく”姿勢こそ、歳を重ねてもスキルを高めていける重要な力なのです」

さらに、自由な環境はプロとしての責任感を芽生えさせると山本は話す。

「自分で考えた行動には責任を持つようになります。レッスンでもゴールを示しますが『どうやるべきか』ではなく『どうやりたいのか』を重視。例えば一般的なサロンでは先輩や同期がモデルになりますが、あえてルールは設けていません。すると、アシスタントたちは自主的にSNS やアプリを通じてモデルを募集。一般の方々を自分のお客様としてサロンに招いて施術しています。『自分のお客様に最高のサービスをしたい』という責任感が成長を加速させ、たった九ヵ月でデビューした新人も現れたほどですよ」

「人との繋がり」が人間力を伸ばす

主体性や責任感は、言わば人間力。技術力を伸ばすにも、人間力なくして成長は見込めない。サロンは環境を与える場所ではあるが、それを活かすのも結局は「人間力」がカギという訳だ。

「人間力は言ってしまえば才能です。『売れる要素の七割は人間力』と言っても過言ではありません。また、人間力は一日二日で伸びる力でもありません。では、人間力を伸ばすためには？　それはお客様を含めた『人との繋がり』です。地域に密着した人が繋がり合うサロン、それがTasty です。同志と切磋琢磨しながら、ともに成長し理想の美容師生活を描いていきましょう」

山本が大切にするスタッフの自由とは、決して放任ではなくスタッフの可能性を信じ、温かく見守り育てる。それが山本のスタンスだ。自分の選んだ美容道を歩むTasty では、美容師一人ひとりが独自の強みを発揮している。まさにスタッフの数が個性の数。Tasty はこれからもあらゆる色を輝き放つに違いない。