スタッフの成長があるからこそ会社は大きくなる
「スタッフが活躍するステージを作り、プロデュースを行うサロンにしたい」会社名の『Produce』には大澤のこんな思いが込められている。大澤が独立したのは今から三十年前、二十四歳の時だった。個人事業主としてサロンをオープンし、集まってきた仲間とともに繁盛店を作り上げたが、離れていくスタッフも多く、十年ほど経ったところで「個人店ではなく、会社としてスタッフの夢を叶えたい。」と『Produce』を立ち上げた。
当時、美容師の夢といえばプレイヤーを経て経営者になることだった。その夢を叶えるため、フランチャイズの仕組みを作りながら店舗拡大に乗り出した。ところが十年後、大澤はピタリと新規出店をやめてしまう。
「七年間ほどは新規出店をしませんでした。出店が必ずしもスタッフの夢ではなくなっていたからです。同時に、自分もなんのために経営しているのだろう?と立ち止まり、じっくり考えました。今までは売上を作ることがスタッフの幸せと考えていた。しかし、人材育成をしっかりと行い、スタッフの成長とともに会社は大きくなっていかなくてはいけないと気づいたんです」
そこで大澤は人材育成に時間と資金を費やすことにした。一般企業が取り入れているようなセルフマネージメントやモチベーション維持の方法、組織のマネージメント、ビジネススクールで学ぶような講習を教育に取り入れたのだ。スタッフは会社が年間契約を行っている講習にいつでも無料で参加でき、学ぶことができる。
スタイリストの早期育成入社後三ヵ月でモデル入客
Produce がもう一つ力を入れているのがスタイリストの早期育成。大澤は自分より下の世代の美容室経営者と積極的に交流を持ち、時代に合わせたサロンの在り方を常にアップデートしているが、早期育成もその一つだという。
「人材育成に時間をかけてきたことは先程もお話ししましたが、今の時代、教育と集客はセットであり、人間形成もさることながら、お客さまに人気が出るような自己ブランディングをしていく必要があります」
具体的に、早期育成はどのように行われているのだろうか?
「Produce のサロンにはアシスタント制はほぼありません。入社後一〜二ヵ月は営業中に知識・技術を身につけるために、トレーニングを受けながら、営業と併用してモデル入客を行うからです。と同時に、どんな美容師を目指すのか、SNSを使ってどのようにブランディングを行うのか、自己ブランディングの講習がスタートします。通常、数年間のアシスタント期間を経てデビュー時に『さて自分はどんなブランディングをしようか』と考えることが多いと思いますが、早期からブランディングを意識することで、業
務委託やフリーランスなど、多様な働き方の中から、自分好みのものを発展的に選ぶことができるようになります」
Produce のサロンでは、ここ三年の新卒スタッフは、モデル入客からクーポンサイトでの集客を遅くとも一年で脱し、Instagram 等で自己集客ができるような教育が行われている。また給与形態は、業務委託型とレギュラーサロン型の二種類があり、スタッフが自分に合った方を選ぶことができる。多様な働き方を意欲的に採用する一方、今までの美容師の働き方を大事にしているスタッフも守っている。
スタッフのキャリアマップに寄り添う会社になりたい
大澤にこれからの展望について聞くと、こんな答えが返ってきた。
「スタッフには美容師としてのキャリアマップを作ってほしいと考えています。今、若手のアシスタントさん、美容師さんたちは一生美容師一本でやっていこうと考える人の方が少ない気がしています。それも含めて、それぞれのやりたいことや夢を叶えるために、会社として準備をしていきたい。美容だけに留まらず異業種仕事だってかまいません。四十歳、五十歳になって副収入を持つことができれば、美容師も楽しく続けられるはず。その仕組み作りをしていきたいです」
撮影会は定期的に開催しています。
毎年新卒生は40名、2022年入 社は50名の採用を予定!
美容師に限らず、たくさんの夢や目標を持ってほしい。