アプリ版『リクエストQJ』3月号で掲載中の「二十歳の頃。」をwebでも特別公開！

成人して、大人としての第一歩を踏み出す年齢であり、多くの美容師さんにとっては、美容師人生のスタートでもある二十歳。

今、業界で活躍するみなさんは、当時どんなことを考え、どんな日々を過ごしていたのでしょうか？

今回は、siika NIKAI（シーカニカイ）ディレクターのサトーマリさんに二十歳の頃のお話を伺いました。

二十歳の頃、どう過ごしてた？

─二十歳の頃のサトーマリさんは、どんなことを考えて過ごしていましたか？

茨城から上京してきて、田舎と東京の考え方が違うことを初めて知った時期でした。例えば、田舎だと頭からつま先まで見られるけど、東京の人はすれ違っても目が合わない。人に干渉しない感じも居心地がよかったですし、1人暮らしして自由を手に入れて、美容学校時代はすごく楽しかったんですよね。

─楽しかった学生時代を経て、アシスタント1年目はいかがでしたか？

私は圧倒的に劣等生。何をやっても動くたびに怒られるし、察しが悪くて怒られている理由もわからないという悪循環で、こんなにコテンパンに言われることあるのかってくらい叱られていました。

今の1年目の子を見ていて、「そうそう、私もこんな感じだった」と思うこともあれば、「こんなに若いのに偉いな」と思うこともあります。自分と似ていると思うのは、落ち込みやすいところ。それこそ、朝は行きたくなくて泣くし、帰り道は辛くて泣くし、1年目なんてほとんど毎日泣いていたと思いますよ。

─当時、大きな失敗はありましたか？

人間関係でトラブルがあったことですね。怒られてばかりで辛かった1年目に、1人だけ優しい先輩がいたんですけど、最終的にその人と揉めてしまって…。結局私はそのトラブルが原因で一度前社を退社しているので、失敗だったなと思います。

辞めたあとは1年ほどフリーターをしていました。正直「いつか美容師に戻りたいな」とも思っていなかったし、後先も考えていなかったけど、1年経ったところでふと「このままじゃヤバいな」と思ったんですよね。そこで改めて考えて、結局私に出来るのは美容師しかないなとわかったのだと思います。それで、求人を探して原宿のサロンに中途入社しました。

ただ、辞めてからも1社目のオーナーやマネージャーとは連絡を取ったり、たまに食事に連れて行ってもらったりしていて。原宿のサロンで働き始めてしばらく経った頃に、その時に悩みを世間話のつもりで相談したら、「うちに戻ってきたら？」と。ちょうど、私が退社する原因になったスタッフが辞めたタイミングだったそうなんですよね。

一度外に出たことで「すごい仕事をしていたサロンだったんだな」と実感していましたし、1年目の自分が毎日泣いていたのは、初めての社会人生活が辛かっただけだということにも気が付いていたんです。後悔もあったので、その誘いをありがたくお受けすることにしました。

＞紆余曲折を経て戻ってきたサロンでの日々は？