旅行はかたくななルーティンを打破するからこそ楽しい!―Cocoon SAKURAの習慣 後編―

表参道の人気店Cocoon(コクーン)で、ディレクターとしてサロンを牽引するSAKURA(サクラ)さん。SAKURAさんといえば独自の美意識と、お客さま一人ひとりの「らしさ」を引き出す繊細なデザインで、多くの支持を集め、美容に対して人一倍ストイックで熱い思いを持つ美容師さん。彼女の習慣はすべて、「自分がいい状態でいること」に集結するそう。前半は、“いい状態”でいるために続けているルーティンについて伺いました。後編では、そのルーティンや生活、仕事との向き合い方の変化についてです。
旅行は、日々の凝り固まった“当たり前”を壊すチャンス!

趣味といえるものがあるとすれば、旅行かもしれません。もともと好きだったけど、最近は特に「自分の思い込みを壊す時間」として、すごく大事にしています。
私は、自分で決めたルールに厳しいところがあるんです。日常の小さなことにも「こうでなきゃ」って無意識に縛られていたりして。例えば、いつもスーパーで買っているものがないと、「なんでないの!?」と思ってしまって、スムーズにいかないことにストレスを感じてしまって、そんな自分がちょっと危ないな、と感じることも。
私にとっての旅行は、そのルールを壊すチャンスなんですよね。海外に行けば、それ以前に、言葉が通じなかったり、相手の言っていることを自分の語学力の範囲で理解しなきゃいけない。それどころか、言葉がわからない私に、相手の方が嫌な思いをすることもあるはず。そういう“不便さ”があることで、自分の“当たり前”がちっぽけに感じる。むしろ、そこにこそ面白さがあると考えられるようになったんです。
去年は、世界一周チケットを使って、ニューヨーク、ポルトガル、ロンドン、そしてオーストラリアを巡りました。ロンドンでは、1年前に移住した美容師の後輩と会えることになって。朝から一緒に過ごして、フラワーマーケットやカフェ、のんびりした休日の空気を肌で感じました。


旅先でのお写真
驚いたのは、ロンドンの人たちの日曜日の過ごし方。パジャマのまま家族で出かけてコーヒー片手に花を選んでいる人もいました。そのリズムが東京での私の休日の過ごし方とはまるで違っていて、衝撃を受けたんです。後輩の美容師さんとは一通りいろいろな話しをしていて、ふとした会話の中で私が「ご飯を作るのとか、大変じゃない?」って聞いたら、「SAKURAさん、違いますよ。私は“生活”をしにロンドンに来たんですよ」と答えたんです。その言葉に、ハッとさせられました。