レディースショートの旗手でオールラウンダー、荒田和哉。圧倒的な経験値で磨いた技術とセンス、性別不問カットのスイッチング力に迫る

 

 

Instagramで女性のショートスタイルを前面に打ち出し、10万人超えのフォロワーをもつ歴9年の荒田和哉(あらたかずや)さん。現在は、表参道『NOVAN(ノーバン)』を拠点にフリーランス美容師として活躍しています。前職は超人気サロンで常に4枠フルブッキングという忙しさだったそうですが、そこで徹底的に経験を重ねたことで、オールジャンルの技術を磨き上げました。骨格に合わせた男女別のカット理論を軸にレディースとメンズを自在にスイッチングする力、そしてトレンドを細かく散りばめた今っぽいスタイルこそが、荒田さんの最大の武器。「どこから見てもかわいいショート」「ひと味違う」と称賛される完成度の高い技術力に迫るべく、これまでのキャリアとこだわり、仕事哲学について取材しました。

 


 

男女両方の技術を習得するため、人気サロンに入社

 

――荒田さんは、大学進学をやめて美容師の道を選んだそうですね。

 

通っていた京都の高校は、みんな普通に大学進学をめざしていたので、僕も当然のように大学進学に向けて勉強していました。でも、その頃から髪をいじるのは好きだったんです。癖毛に悩んでいて、スタイリングをするだけで少なからず自信がもてるという感覚を感じていましたし、友達にもヘアセットをしてあげたりしていましたね。そんな中、大学受験で第一志望に落ちてしまって。他の大学に進む気持ちにもなれず、ふと「美容師になろうかな」と両親に口にしたら、意外にも「応援するよ」と背中を押してくれたんです。その一言で、美容師に挑戦する決心がつきました。







――大阪の専門学校を卒業後、東京のサロンに就職したそうですが、もともと上京志望があったんですか? 

 

9年前の当時は、サロン情報を探す手段といえばSNSではなく、ヘアカタログや業界誌が中心でした。僕は「男女どちらのスタイルも自信を持って担当できる美容師になりたい」と考えていたので、女性誌と男性誌の両方に掲載されている美容室を探したんです。その中で見つけたサロンに入社しました。大阪で就職する選択肢もありましたが、思い切って東京を選んだのは大正解だったと思います。






――有名サロンへの入社は、競争率が高かったのでは?

 

そう思ったので、就活時のアピールポイントとして、まだ美容業界では注目されていなかったTwitter(現・X)を1年次から始めて、フォロワーを5000人まで増やして準備していたんです。そのアカウントは就活だけでなく、アシスタント時代のモデル募集でも大活躍しました。技術試験を受けるには男女さまざまなレングスのモデルを50人以上カットする必要があったのですが、SNSで呼びかけると大学生たちが喜んで来てくれて。街でモデルハントをほとんどせずに、必要な人数を集められたんです。








>レディースショートを打ち出し、男女客の比率は5:5に




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