営業も遊びも全部学びに変え「リアル」にこだわる 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき7つのこと」〜 Rougy 上原健一

20代は、美容師として、そして社会人として花開く土台をつくる時期。理想の美容師人生を長く続けていくには、20代のうちに取り組むべきことがあるはずです。そこで、美容業界のレジェンドと呼ばれる方々に「これをやったから今の自分がある」「今の時代の20代だからこそやるべきことがある」など、今後の美容師人生を豊かにするためのヒントを語っていただきます。
今回は、JHA(ジャパンヘアドレッシングアワーズ)でグランプリを受賞し、クリエイションの世界でも広く知られる美容師・Rougy(ロージ)の上原健一(うえはらけんいち)さん。日々の仕事を学びの時間と捉え、実際のお客さまを通して経験を積み、カルチャーや多彩な体験から感性を磨いてきました。業界のレジェンドに数えられる彼が、今の20代美容師に伝えたいこととは?

1つ目:心を震わせるような憧れを見つける

僕が美容師を始めたころ、ちょうどヘアメイク全盛期だったんです。国内外にすごい人たちがいて、写真一枚で心を奪うような作品を作っていた。「俺もこんな作品を作れる人になりたい」と本気で思いました。だから、サロンに入る時も「日本のトップになる」という志を持って飛び込んだんです。
もちろん最初からそんな大きなことはできません。でも「どうせやるなら、頂上を目指す」って志を立てることが大事。高い志があるからこそ、努力できるし、途中で折れずに続けられるんです。
だから20代のうちに、自分の心を震わせるような憧れを見つけてほしい。その憧れに向かって全力で挑戦することが、美容師としての核になるんだと思います。

2つ目:サロンの営業中に全力で学ぶ

アシスタントって言葉、俺はあんまり好きじゃなかったんだよね。「下積み」とかじゃなくて、「スタイリストになるまでの勉強期間」だってずっと思っていました。
一日の中で一番長いのは営業中。だったら、その時間をどう過ごすかが一番大事。営業中こそ最高の学びの時間なんですよね。
先輩がどうカットしてるか、お客さまとどんな会話してるか。とにかく必死で観察していました。会話のネタをそのまま真似したこともあります。そうするとお客さんに顔を覚えてもらえるし、まだ自分のスタイルがなくても、サロンに溶け込める。最初はそれで十分だと思います。
夜練や朝練もいいけど、それ以上に営業中の観察から得られるものは大きい。だから僕は後輩にもずっと「まずは営業中もちゃんと見ていてね」と言ってきました。目の前でリアルに起こっていることから学ぶのが一番早いし、一番財産になるんです。
