採用担当が語る“本気の採用基準” Null編 「応援したい」と思える素直さと誠実さ。応援が集まる人から、キャリアは動き出す。
現状に不満を言わず、努力ができる
-採用担当として思わず好印象を抱くポイントは?

今いる環境の中で、やるべきこと・できることを最大限やり切っている方には、好印象を抱きます。
中途スタッフの例になりますが、もともとデザインカラーに強い興味を持っていたものの、さまざまな事情から、地方でファミリー層のお客さまが多いサロンに入社した方がいました。ただ、その方は「やりたいことができない」と不満を口にするのではなく、まずはサロン側に自分の想いをきちんと伝えた上で、独学でデザインカラーを学び続けていたんです。同時に、サロンが求めている仕事にも全力で向き合い、目の前のお客さまを大切にする。そうやってバランスを保ちながらやり抜いていました。現状に言い訳をせず、自分でできる努力を積み重ねている姿勢は、非常に魅力的に映ります。
−逆にマイナスなイメージを抱くポイントは?
・自分を優先させがちな、テイカー気質
いわゆるテイカー気質が強く見える場合は、正直マイナスです。テイカー・ギバー・マッチャーという考え方がありますが、Nullには圧倒的にギバー気質の人が多い。他者のために無理をしてしまうくらい、心が優しくて繊細な人たちが集まっています。これは言語化するのが難しい部分でもあるのですが、その気質と向き合い、バランスをとりながら美容師として、人として少しずつ強くなっていく――Nullはそんなストーリーが自然と生まれていく組織だと思っています。だから、テイカー気質の人が入ると、そもそもそのストーリーが始まらない。歯車が噛み合わず、場が回っていかない感覚が強くあるんです。
その気質が特に分かりやすいのが集団面接です。「私は、私は」と、周囲をやや下げながら自分を持ち上げる話し方をする人や、ワークセッションなどで自分の準備だけをする人。誰かがやってくれて当たり前という空気感や、「ありがとう」「ごめんなさい」がスッと出てこない。集団面接のような緊張感のある場面では、咄嗟の言動や動きにそうした気質が必ず現れます。
実際に内定を出している人たちは、損得を考える前に周囲に声をかけ、場を巻き込もうとする行動が無理なく自然にできるんです。それは「評価されたいから」ではなく、その場で、そうしたいと思えるかどうかの違いだと思っています。
この気質の違いは、良い悪いではなく変えるのがとても難しい部分ですし、周囲のスタッフも必ず違和感を覚えます。だからこそNullでは、この点だけはブレずに、慎重に見極めるようにしています。
-採用された方に共通している点はありますか?

・自分の夢も、他者の夢も追いかけられる人
「もう、一人の夢じゃない」というNullが大事にしている言葉があります。その言葉どおり、採用したスタッフに共通しているのは自分の夢と、他者の夢とのバランスを取れる人です。いわば、縦(自分の志)と横(周囲との関係性)のバランスを自然に取れるタイプですね。
例えば学校生活でいうと、文化祭のような場面です。30人いれば、全力で準備する人、楽しむことを優先する人、面倒でサボる人など、いろいろなタイプがいると思います。その中で、「文化祭をいいものにしたい」という目的を大切にしながら、周囲を巻き込み、自分自身もきちんと楽しめる人です。
ただ自分が楽しければいいとか、独りよがりに自分の夢だけを優先する考え方は、Nullが目指すチームのあり方とは少し違います。もう一言声をかければ、誰かを巻き込めるかもしれない。その一歩を自然に踏み出せる人は、周囲といい関係を築きながら、自分自身も伸びていきます。実際、採用してきた人たちは、横のつながりを大切にしながら、自分の夢も追いかけ、成果を出している人が多いですね。
・家族や親、友人や学校の先生などへの感謝ができていること
また、お世話になった方にきちんと感謝していることも共通点です。まだ20歳そこそこで、周りの方からの愛情に気づき、感謝できている人は決して多くないと思います。でも、それができている人は、他者に対しても本当の意味での愛情を持って接することができる。だから後輩を指導する立場になったときも、ただ厳しく叱るのではなく、相手を思いやった関わり方ができる。そんな「愛のある指導」と「そうでない指導」の違いを、自然と理解できるスタッフばかりだと思います。
-採用残り枠1名に対して最終候補者が2名。最終的な採用の決め手は?
・日常の積み重ねで判断する、誠実さ
「誠実さ」でしょうか。ただ、正直なところ、これを推し量るのはとても難しい。だからこそ、ひとつの場面だけで判断することはありません。メッセージのやり取りや、SNSをやっているならば発信内容、面接時のフィードバックに対しての取り組み方など、日常の積み重ねで判断することになると思います。
また、ご両親や家族、パートナーがいる場合には、その人をきちんと尊重できているかなど、少しプライベートな部分な質問にも踏み込んで確認していくこともあります。そこで少しでも違和感があると、それまでの評価がどれだけ高くても慎重にはなりますね。
さらに、その方に対するスタッフの印象も丁寧にヒアリングします。その上で、この子は馴染むのが早そうか」「表面的ではなく、深いところでチームに溶け込めそうか」という点も大切な判断材料です。
-最後に、新卒・転職者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
・周囲から応援される、愛される人になろう
「応援される人」を目指してほしい。これは、すべての美容師さん、特にこれから業界に入る学生のみなさんに伝えたいことです。
僕が中学生の頃、部活のスローガンが「応援される人になろう」でした。なぜかというと、試合中の態度や、対戦相手への接し方、日常の振る舞い。そういった端々に「自分のことしか考えていない姿勢」が出てしまうと、周囲はそれ以上、応援したいとは思えなくなるんですよね。逆に、「この人なら応援したい」「この人の夢なら手伝いたい」と思われる人には、人が集まり、力が集まっていきます。
どんなキャリアを目指すにしても、それは同じです。ハイプレイヤーを目指すのであればなおさら、先輩から「かわいい」「応援したい」と思われる素直さや誠実さ、そして熱量が欠かせません。そうした姿勢があるからこそ、自然と応援が生まれ、いい出会いやチャンスが引き寄せられ、結果につながっていくのだと思います。意図せずとも日頃から深く感謝できる人でこそ、自然とそうなっていきます。
ぜひ、「応援される人であるかどうか」を、これからの指針のひとつにしてもらえたら嬉しいです。

- プロフィール
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株式会社Null 代表取締役CEO
GO TODAY SHAiRE SALONサロン事業部所属/
松岡諒(まつおかりょう)
27歳、神奈川県出身。山野美容専門学校を卒業後、わずか4ヵ月でフリーランスに転向し、GO TODAY SHAiRE SALONで多岐にわたる事業に携わる。24歳で独立し、表参道にサロン『Null』をオープン。同年、自身のノウハウを活かした共育型シェアサロン『Qin shaire salon』の立ち上げを行う。創業2年でNullを表参道原宿の一等地に3店舗展開し、商品開発、セミナーなど幅広く活動。
Instagram:@ryomatsuoka.null
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