二十歳の頃、どう過ごしてた? NORA Journey 阿形聡美さんの二十歳の頃。

─その先輩方は確かに刺激になりますね…!

 

休みがないことや、睡眠時間を削って練習する日々は確かにハードでしたが、全く苦ではありませんでした。というのも、本当なら有名店に入ってバリバリ働きたかった私にとって、1年目は正直、仕事の面では「緩いな」と感じていたんです。かたや、同期で有名店に入れた子たちは毎日朝早くから撮影があったり、原宿に行くといつもモデハンをしていて…。確かにしんどそうだけど、本当は自分もそっちをやりたかったから、ずっと悔しさや劣等感があった。その状態で1年間過ごしたからこそ、NORAに入って撮影の仕事などが入ってくるようになり、身体はしんどくても「そうそう、私はこれがやりたかったの!」という気持ちが大きかったのだと思います。

 

 

─先輩に怒られて落ち込んだりするタイプではなかったですか?

 

そうですね。それこそ1社目では厳しく叱られることもありましたが、良くも悪くもポジティブなのであまり怒られたと思っていませんでした。同期が「また怒られたね」と愚痴を言っていても「え、あれは注意じゃないの?」と思っていましたね。ただ謝れと言われるのは悔しいですが、理にかなっている指摘に関してはスッと頭に入るし、「注意してもらった」と思えるんですよ。

でも、最近の子は違いますよね。こっちが注意のつもりで言ったことでも、「怒られた~!」と落ち込んでしまって内容が全然入っていかない。怒ってるというか、改善点を伝えてるだけなんだけど…と困ることも多いです。

 

─あの頃、こうしておけばよかったと思うことはありますか?

 

NORAに入ってから、練習したくて、早起きするために正座して寝たりしていたんですよ。始まりは、先ほど話したストイックな先輩に「あがちゃん、正座すると次の日起きれるよ」と言われたこと(笑)。今思うと面白いけど本当に正座して寝たり、「ベッドで寝ると寝ちゃうから、床で寝たほうがいいよ」と言われて実践して、次の日「起きれました!」とか話して。

 

 

そういうやり取りを先輩としているうちに、後輩も変な育ち方をしてしまって「電気付けたまま寝ると、熟睡できないので起きれます!」とか言い始める始末でした…。

そんな当時の私に言えることは、「2~3時間でもいいから、ちゃんと寝はれ」です。本当に、パフォーマンスが変わるからちゃんと寝なさい(笑)。練習したさに無茶ばかりしてましたけど、営業中は白目でシャンプーすることもあったので本末転倒ですよね。

 

二十歳のみんなへ

 

 

良くも悪くも、今って怒られない。だからこそ、やる子はやるし、やらない子はやらなくて、十年後にすごく差が開いていると思うんですよ。今の時代は優しいから、差が開いていても平等にチャンスは来るかもしれません。ただ、そのチャンスを掴めるかは自分次第。本当に掴む子はいつ来てもいいように自分で準備しているんです。1回目のチャンスは平等に来るけど、それ以降は1回目にしっかり掴んだ人にしか来ないから、覚悟しとけよ、とは思っています。

見ていると、2回目、3回目があると思って「次また頑張ろう」って言う子も多いんですよ。そういう姿を見ていると、何言ってるの? 次なんか来ないよ!と思います。そのとき来たチャンスは自分が頑張ったからだと思っているかもしれないけど、違うんですよ。

練習も強制されて実力主義だった昔と違って、今は優しいからみんなに平等にチャンスが来て、でも次はない。チャンスは実力に関係なくやってくるけど、リピートが無いとしたらそれが結果だと思ってほしいです。

強制されない時代だからこそ、いつでもチャンスを掴めるようにはしておかないと、いつか自分が後悔しますよ。

 

(文/リクエストQJ編集部 撮影/菊池麻美)

 

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