二十歳の頃、どう過ごしてた? Belle 藤原愛莉さんの二十歳の頃。
─退社後は、すぐに別のサロンに入られたんでしょうか?
いえ、10カ月ほど休んでいて、その期間は色々なことをしていましたね。派遣美容師もやったし、飲食でバイトもしたし、メイクの検定を受けたり、免許を取ったり。美容師を辞めるつもりはなかったので、「絶対に戻る。それまで長めの休息だと思って、学生の頃にできなかったことをやろう」と考えていました。

しばらく休んだ頃、そろそろ2年目に入るタイミングだなと思って、次のサロンを探し始めました。ありがたいことに大阪の大手サロンから合格をいただいて、入社することに。「中途として入るか、次の新卒生と一緒に入るか、どっちがいい?」と聞かれたのですが、少しでも先輩ヅラをしたくて(笑)、お願いして3月に入社させてもらったのを覚えています。
技術レベルにそんなに差がなかったとしても、新卒生から「先に居た人」と思ってもらえる方が自分としてはやりやすかったんですよね。シャンプーなども前社とマニュアルが違ったので、一から学び直しました。入社前、バイト終わりにお店に行って教わったりして、3月に入社する頃にはカラーとかをやってたんじゃないかな。
─休養から復帰して、仕事は楽しめるようになりましたか?
そうですね。もちろん大変なこともありましたけど、ブランクがある状態での復帰だったこともあり、ある程度腹を括って入社したので、そこからは必死に働いていました。でも、不思議とデビューを焦る気持ちはなかったんですよね。むしろ1社目はわりとデビューまでが早いカリキュラムだったので、同期だった男の子が最短の2年とかでデビューしていくのを見て「怖っ!」と思っていました。自分はもう少し学んでからがいいな、と。

─愛莉さんにも、つまずいたこと、失敗した経験はありましたか?
もちろん、たくさんあります! 中でも忘れられないのは、店舗のトップスタイリストの先輩と揉めてしまったことです。
きっかけは些細なことだったんですよ。サロンワーク中に私がミスをしてしまって「もういらないです」とアシスタントから外されてしまったんです。営業後に謝りに行ったけど、次の日からずーっと無視されて! 本当ならそこでもう一回謝りに行くべきだったのかもしれないですが、私も負けん気が強すぎて「じゃあ、もうあなたのお客さま入らないですからね?」ってスイッチ入っちゃって…。そこから、1カ月くらい口も聞きませんでした。
─1カ月はかなり長い戦いですね…!
ですよね。でもその頃、店舗の先輩がみんなスタイリストに上がったタイミングで、自分がアシスタントの中で1番上で、下はシャンプーマンだけだったんです。一番お客さまがついているスタイリストの施術に、アシスタントが入らないわけにはいかないじゃないですか。それでも入らなかったので、やっぱりお店が回らないんですよ。先輩も、私が入らないと全て自分でやらないといけないので、カットの途中で手を止めて素手でカラーを塗りに行ったりしてて。
お互い引き下がらなかったんですけど、その空気を察した店長に何か言われたんだろうな〜というタイミングで、「夜、時間ありますか」と先輩から声をかけられ、二人でご飯に行きました。本当に気まずかった(笑)。

─そこで話して、無事和解されたんですか?
向かい合わせに座りながら、私は「絶対自分からは謝らない。もう謝ったし!」とか思って黙っていたので、しばらくはこう着状態(笑)。痺れを切らした先輩が「自分が大人げなかったです」と謝ってくれたので、自分も一旦謝ろうと思って和解しました。そのシーンはものすごく覚えていますね。
今考えても、やっぱりあの時の先輩は本当に大人げないと思います(笑)! 30代手前で、アシスタントのこと1カ月も無視して。私は絶対こうはならないぞ!と思って過ごしていました。
でももちろん、それと同じくらい2度目の謝罪に行かなかった私もやばいですよね。サロンが回らないのもわかってるのに、アシスタントに入らないのもやばい。多分、お互いに引き際がわからなくなっちゃってたんだろうなと思います。ちなみに、その先輩も普段はめっちゃいい人で、退社まで本当にお世話になりました。だからこそこうして話せるんです(笑)。