RUALA角薫さんのびよう道 〜大切なことは、亡き師匠とお客さまに教えていただいた。女性美容師として駆け抜けてきた30年の紆余曲折〜

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代です。もちろんそれも良いですが、美容人生のどこかで“心も体も美容でいっぱい”という時期があっても良いかもしれません。

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

今回は、都内有名店のトップスタイリストや原宿店店長など、プレイヤーとして輝きながら、人材育成にも深く関わってきたRUALA代表の角薫さんです。元同僚のちはるさんと2016年、原宿にRUALAをオープン。サロンワークに軸足を置きながら、国内外のセミナー、一般誌・業界誌の撮影など幅広く活躍しています。そんな角薫さんが歩んだ「びよう道」を、大いに語っていただきました。

 


 

入社倍率60倍を突破し、OPERAへ

 

 

カリスマ美容師ブームの火付け役になった都内の有名サロンに新卒で入社し、美容師生活が始まりました。選んだ理由はそのサロンに所属する美容師が雑誌で活躍する様子に憧れたから。美容師として雑誌に載って有名になることが、青森に住む両親への親孝行になると思っていたんです。

 

応募者数は300名、入社は5名で入社倍率は60倍。狭き門を突破できたのは「負けず嫌い」「入社5年後にトップスタイリストになる」という強気のアピールが刺さったからかもしれません。「私を採用しないと後悔しますよ!」と本気で思っていました。

 

 

1年目は、とにかく休まなかったですね。お店の営業時間は14時から23時。同期のみんなと営業が終わってから練習して始発で帰る生活です。

 

練習するために朝早くからお店に来るんですけれど、同期が8時に来るなら、私は7時。負けず嫌いでしたね。不器用だったので人よりやらないと不安だったのもあるんですけれど。

 

誰よりも頑張りたい気持ちはあったのに、腰を痛めて1週間くらいシャンプーに入れない時期がありました。絶対に遅れをとりたくないので、家で手を動かしながらイメージトレーニングしていたんですよ。頭の中でイメージしてロッドを巻く動きを練習したことも。とにかく必死だったんです。

 

私は休日が来てもうれしいと思いませんでした。少しでも多く練習したかったし、手を動かしていないと不安になるからです。

 

>大事なことはお客さまから学んだ


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