「なぜ売れない?」と悩み続けた7年。飛躍を生んだ“助走期間” 美容師YouTuber 大野道寛のびよう道
売れなかったスタイリスト時代と、静かな積み上げ

スタイリストデビューしてすぐ売れたわけじゃありません。むしろまったく売れなかった(笑)。SNSもホットペッパーも今ほど浸透しておらず、雑誌に出てもすぐ新規予約が入る時代ではなかったんですよね。ネット集客へと以降する前で、雑誌の影響力が落ちはじめた時代の狭間みたいな頃だったので、最初の数年は本当に地道でした。
来てくれた限られたお客さまを、どうやって次につなげるか。できることは、目の前の一人ひとりと誠実に向き合い、積み重ねていくことだけ。派手さとは無縁の、静かなスタートでした。でもあの時間があったこそ、「すべては一つひとつ前進することでしか到達できない」という当たり前の真実を、身をもって実感できました。
その後「もっとSNSに時間をかけて取り組みたい」「ネットを活用したい」という思いで、独立に向かうことに。振り返ってみると、じわじわと積み上げた日々は、確かに今へとつながっています。
7年間のくすぶりは、すべて“助走期間”だった

スタイリストデビューをしてから7年間くらいは本当に「くすぶり続けた時期」でした。ブログ、インスタ、Twitter(X)、オンラインサロン……使えるものは全部試して、とにかく手を動かし続ける毎日。でも一気に伸びることはなくて、ずっと霧の中を走っているような感覚でしたね。
ただ、今になって思うのは、あの7年間は完全に「助走期間」だったということ。技術も、文章も、写真も、編集も、発信の考え方も、全部ここでトライアンドエラーを繰り返したからこそ、YouTubeの長尺動画というフィールドで一気に花開いたんです。

YouTubeが当たり始めたのは、ちょうどコロナ禍で35歳くらいの頃です。それまで15年間、静かに鍛練してきた技術や接客、そしてSNSでの発信の型みたいなものが、長尺の動画というフォーマットに全部ハマったんですよね。奇跡の一枚じゃなくて、スタイルを360度ちゃんと見せる。カウンセリングから仕上がりまでのストーリーを見せる。そこに価値を感じてもらえたのが大きかったと思います。