『創魅煌整』ってなんのこと? ハリウッドスターのヘアメイクにボディジュエリー、耳つぼ──サロンに所属しながら美容師の枠を超えた活躍を見せる、DaB MUUT吉田美優さん
ハリウッドスターからの指名は「ヘアメイク」の役割を超えた気遣いの賜物

ヘアメイクの仕事では、数年前、日本で行われた大きなイベントをきっかけにハリウッドスターを担当するようになりました。アイドルのヘアメイクをしていたときに繋がった方から「2週間後、3日間予定を空けられますか?」と突然連絡があったんです。メンズもできるヘアメイクを探している、という話でした。
事前に詳細がわからなかったものの、「面白そう、行ってみたい」という気持ちが大きくて、迷わず「行きます」と返事をしました。当時はデビューしたてで、今ほど予約が詰まっている訳ではなく、予定を調整しやすかったのもタイミングが良かったなと思います。
そして当日、いざ現場に入ってみて感じたのは、信頼してもらうにはメイクの技術だけでなく、気遣いや先読みするアンテナが大事ということでした。
イベントは、スターがファンと直接交流する場です。スターたちは、写真撮影やサイン会など、一人ひとりのファンとの時間をとても大切にしている。その中で、ヘアメイクとしてバックステージで何ができるかを常に考えていました。

例えば、どのタイミングで何を飲みたいのか。目をこすっていたら目薬、寒そうだったらカイロを手渡す。口にするものの好みを把握したり、水も環境に配慮した特定のものを用意したり……そういった細かい好みや行動をしっかり観察して、全てにおいて先回りして動くことを意識していました。
私は英語が堪能なわけではないのですが、言語は意外と壁にはなりませんでしたね。簡単な聞き取りはできますし、それ以上に大切なのは相手の動きをよく見て、何を求めているのかを考えることなのだと思います。ヘアメイクという仕事は、ただメイクをするだけではなく、現場全体をスムーズに回すための役割も担っていると、そのとき改めて実感しました。
たとえ本来は運営がやるようなことでも、必要だと思ったなら自分が動く。その姿勢が評価されたのか、今では来日イベントで継続的に指名をいただけるようになりました。

私は今年30歳を迎えます。一つの節目とも言える年齢になり、これからの10年は「自分だけで完結しない仕事」をしていきたいと思うようになりました。美容師になってからこれまでは、「自分のやりたいこと」を思う存分やってきたので、これからはボディジュエリーや耳つぼの技術を、誰かに伝えていくことができたらいいな、と。
もう一つ大切にしたいのは、後輩たちに自分の背中を見せることです。独自にやりたいことがある後輩たちには、私を見て「サロンを辞めなくても、やりたいことはできるんだ」と選択肢を広げてもらえたらと思います。
好きなことを突き詰めてきた結果が今の私なので、これからは、その経験を次の世代につなげていくことが目標ですね。
個人的な夢は、ファッションブランドとコラボして、私がボディジュエリーを施したモデルさんがランウェイを歩く光景を見たいです。大きな夢を叶えられるよう、30代も自分らしく過ごしたいと思います!

- プロフィール
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DaB MUUT
スタイリスト/吉田 美優(よしだ みゅう)
福岡県出身。大村美容ファッション専門学校卒業後、DaBに入社。サロンワークでは、ヘア以外にもボディジュエリーや耳つぼを社内で初めてメニュー化。ボディジュエリーは、有名ブランドとのコラボレーションも手がけ、ファッションとしての提案力が支持されている。ファッション感度の高い顧客から絶大な支持を集めるほか、ヘアメイクとしても活動の幅を広げている。
Instagram:@yoshida_style
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)