DADA CuBiCの魂を受け継ぐ者、小林和哉が語る美容師の本質。教育×デザインの頂点へ。妥協なきクオリティ、尽きぬ情熱。長く活躍できる“美容師の真髄”

 

教育を通じて、新しい美容業界を作っていく

 

――昨年は本も出版されましたね。拝読しましたが、読み応えがありました。まさに、これまでの集大成ですね。

 

ずっと本を出したいなと思っていたので、念願が叶いました。古城(古城隆/クリエイティブディレクター)と共著で『MAKING THE SILHOUETTE(メイキングザシルエット)』というカットの技術本を出しました。サロンワークでよく使うスタイルを中心にまとめているので、すぐ実践に活かせる内容です。

 

紙質や装丁にもこだわったので、ぜひ手に取って読んでほしいです。とくに若い世代のスタイリストには、自分の仕事の幅を広げるきっかけにしてもらえればと思っています。

 

MAKING THE SILHOUETTE ヘアモード社

 

 

――小林さんはカットアカデミーで講師も務められていますが、講師歴も長いですよね。

 

アカデミーで教え始めたのは20代後半からなので、もう10年以上になります。デザインの理論や技術の考え方を伝えるのはもちろん、実際のサロンワークをイメージしながら学べるよう工夫しています。技術指導の際には、より早く現場で生かせるように、正確で美しいカットにつながるコツまで丁寧に教えています。とはいえ、切り方を教えているのではなく、デザインを自由にコントロールできるようにするための技術です。切り方で学んできた人たちはそれができなくて、「なんとなく同じようなスタイルばかり切っていて幅が広がらない」という悩みをもつ方が多いんですよ。

 

 

ベーシック、クリエイティブのような形でクラス分けされていますが、1つのクラスにアシスタント1年目もいればオーナーもいて、美容師歴もバラバラなんですね。人によっては教え過ぎると混乱してしまうことがあるので、その人の経験値や理解度に合わせて、教える内容を調整しています。昔はアシスタントは来なかったんですが、最近は増加傾向にあります。フリーランスも多いですね。独立して5〜6年が経ち、「自分の技術に自信がもてなくなって学び直したい」という方や、「幅広くスタイル提案をしたい」という熱心な方々が参加してくれています。

 

 

 

――海外から学びに来る美容師も多いそうですね。

 

韓国から来てくれたり、中国の方々は専用クラスがあります。うちは少人数教育にこだわっているので、1クラスはおよそ13人規模なんですが、国内は北海道から沖縄まで全国から来てくれます。アカデミーには教育できる環境が揃っているので、僕も行くたびにスイッチが入るんですよ。この空間で交わされる熱が、また次の時代をつくっていく。そんな確信を抱きながら、日々教育に向き合っています。

 

プロフィール
小林 和哉(こばやしかずや)/『DADA CuBiC』アートディレクター
岩手県出身。山野美容芸術短期大学卒業後、新卒でDADA CuBiCに入社。サロンワークを中心に、数多くの一般誌・業界誌でも活躍。コンテスト受賞歴多数。カットアカデミーの講師も務める。2024年、古城隆氏と共著した技術本『MAKING THE SILHOUETTE』を上梓。
Instagram:@kazuyakobayashi

 

(文/織田みゆき 撮影/泉山美代子)

 

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