Miyakoshiさんが新サロンenLiLYをオープン。マンツーマン×クオリティで、売上至上主義を越えたい!
マンツーマン施術は、“お客さま目線”を最大化する、最良の方法

接客や施術をする中で、私の中にはいつも“お客さま目線”という指針があります。Instagramにも「美容師になって大切にしていること」として投稿しているのですが、これは自分がお客さまとして他の美容室に行ったときに感じたことをメモしておいて、「自分がお客さまに接するならこうしたい」ということを挙げているんです。なんとなく意識していたことではありましたが、フリーランスになってからより強く自覚し、形にしました。
僕のインスタのフォロワーは美容師さんも多いので、美容師さんに向けて発信しているつもりだったのですが、意外なことにお客さまからも共感の声をいただくようになりました。美容師とは別の接客業の方や、「こういう価値観を持っている美容師さんだと安心して任せられる」と言ってくださるので、こういった発信が信頼につながっている実感があります。
もちろん書いたことを100%実行できているかと言えば、そうでない部分もあるかもしれません。でも、このマインドを持ち続けることが大切であり、お客さまに伝わっている実感があります。

私がマンツーマン施術にこだわるのも、結局はクオリティのためです。もちろん、アシスタントを入れれば確かに売上は伸びますが、スタイリスト本人が最適な動きで施術を組み立てることが、安定した仕上がりに直結すると思うんです。アシスタントが悪いわけではなく、現場においてどうしてもマニュアルの延長になりやすく、私の手で行う微調整を完全に再現するのは難しい場面が多いからです。

かつて売上を強く意識していた時期は新規のお客さまが多く、施術が流れ作業のように感じてしまっていた部分もある。スタイリストデビューの翌年には、 “日本一クラス”といわれる売上水準に到達しましたが、その頃のお客さまは今ほとんど戻ってきていません。きっと、私の施術や接客の細かな所作などのどこかに雑さがあったからなのだと思います。その経験が“数より質”を私に突きつけました。
このenLiLYという場所は、言葉と行動を矛盾させない場でありたい。売上重視時代を経た上で、今の私が選んだ最適解がマンツーマンであり、enLiLYというサロンのありかたなんです。

- プロフィール
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enLiLY/代表
Miyakoshi
資生堂美容技術専門学校卒業。2018年にハイトーンを得意とする有名サロンでスタイリストデビューを果たし、翌年には社内で初めてデビュー1年目指名売上450万円を達成。2021年フリーランスに転身、ハイトーンに加え髪質改善で顧客から支持を集める。2025年7月に自らがオーナーとなるen LiLYを渋谷にオープン。
Instagram:@miyakoshiii
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)