大学中退、モデルを経験して美容師に。「僕はお客さまの専属美容師になりたい」日野達也インタビュー

初めての人頭カットで失敗。「この人は失敗した髪で数ヶ月過ごす」そう思うと…

 

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―2016年の1月にデビューされましたが、アシスタント時代のしくじりエピソードがあれば。

 

失敗はたくさんありましたが、ウィッグではなく、初めて人頭をカットしたときの大失態は忘れられません。胸上までのロングから巻いても顎ラインほどのボブにしたいとの要望を受け、意気揚々とカットを始めました。でも僕、4時間かかってしまったんです。しかも切り終え、「かわいく決まったはず!」と鏡に視線を向けると、その子の髪の毛はリップラインよりも短くなっていて…。

 

それまでウィッグしか切ったことがなく生えグセがわからず、目の前の1パネル1パネルしか見ていなかった。それが失敗した原因でした。

 

モデルさんは目に涙を溜めていて、「どうしてくれるんですか」と言わんばかり。笑顔にしたいと思って一生懸命やっているのに泣かせてしまうなんて、こんな辛いことなかったです。キノコみたいなお世辞にもかわいいと言えない髪型で、この人がこの先しばらくこの髪型と生きていくんだと思ったら、あまりに申し訳なくて…。あのときは、もう美容師を辞めようと思いました。

 

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そこからどうやって気持ちを立て直したんですか?

 

先輩から「最初はそんなもんだ」って励ましてもらいました。そして一旦人頭を切るのはやめて、ウィッグで練習を重ねました。そうやって徐々にリハビリして…なんとか自信を取り戻していきました。

 

日野さんのInstagramを拝見していたらボブがたくさん掲載されていました。デビューをした今は「ボブ」を得意としているんですよね?

 

はい、その挫折があったから、今はボブで勝負できるまでになったんです。当時はボブを死ぬほど練習して、深夜の2時3時まで切りまくったことも。そうして自分のボブスタイルを作り上げ、勝手に「日野ボブ」と商品のように名前をつけました(笑)。2016年の4月頃から、Instagramで「日野ボブ」をハッシュタグにして発信を続け自己ブランディングをしていて、今では9割がボブのお客さんなんです。月に60人ぐらいの方に、Instagramの投稿をきっかけに来店してもらっています。

 

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>マンツーマン接客を目指すワケ

 

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