「独立してよかったです!」とみんな言っていますよ

③熱意のあるオーナーが自ら切り盛りする店は強い

 

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当社は内装工事がメインの事業ですが、サブ的に中古美容機器の買取・販売もしています。そのなかで、「閉店するお店の傾向」も見えてきました。

 

まずは、オーナーさんが高齢になり美容室を卒業するパターン。これはみなさんもイメージがつくと思います。そして、もう一つありがちなのは、新規出店した2号店が赤字を出してしまうパターンです。

 

1店舗目が軌道に乗って黒字を確保できると、オーナーさんは新規出店を考えるもの。多くの場合、2店舗目の店長は会社の№2の人物に任されます。新店の店長は、オーナーと同じようにお店の売上やディーラーさんへの支払い、スタッフに支払う給料などを見ながら、お店をマネジメントしていくのですが「いくら利益があるか」なども一目瞭然ですよね。そうなると、いかにオーナーが儲かっているのかも見えてきます。

 

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1年目はそれでも頑張ると思いますが、3年目、4年目ともなると、オーナーばかり潤うことに疑問を持ち始めるものなんです。多くの場合、店長さんは30万円~40万円そこそこのお給料で頑張っているわけですから。そうして、いよいよ独立を考えるようになります。

 

いざ店長が独立すると、お店の売上は激減します。出店場所が近場の場合はとくに、お客さまは技術者について行くことが多いからです。そこであわててオーナーが№3の人材を送り込んでも上手くいくものではありません。また、売上についてオーナーに責められた二人目の店長が早々に退職してしまう傾向があります。こうしてガタガタになったお店は赤字が続き、閉店に追い込まれてしまうわけです。

 

一方で、オーナーが自ら店長として店を切り盛りしているサロンは不況にも強いようです。私たちがお手伝いしたサロンについてはほとんど存続しています。やはり、熱意のあるオーナーが自ら手を動かしているサロンは強いのです。

 

④独立しても意外と食えるものですよ!

 

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自分より先に独立した先輩からの「独立費用が2000万円」だとかそういう見当違いの金額を聞いて尻込みしてしまう人もいるようですが、小規模で始めるのであれば自己資金200万円から開業可能です。それに、私たちがお手伝いさせていただいたオーナーさんは、みんな「独立してよかった」と言っていますよ。独立のリスクを大きく見積もりすぎの方も多いんじゃないでしょうか。

 

これまで独立のお手伝いをさせていた方の情報をまとめると、「平均32歳」「店長経験者」「指名売上120万円以上」。これに当てはまっている方は、ひょっとすると転職するよりも、独立という選択肢を頭に入れて行動したほうがいいかもしれません。ちなみに、本当に不思議なのですが、「平均32歳」というのは、ここ10年ほどずっと同じです。

 

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個人情報保護の問題で指名顧客を持って独立するのは難しくなっていますが、もし、独立後もお客さまが来てくれる見込みがあるのなら成功する確率は高くなります。当社の統計によると、とある駅の西口のサロンで働いていた場合、東口に出店すると約8割は指名顧客が付いてきてくれます。一駅離れたところだと約5割。一人の技術者でサロンを運営する場合の損益分岐点がひと月当たりの売上60万円なので、それを上回れば手元の運転資金が少なくてもお店を回せる計算になります。

 

独立して大きく儲けるのは簡単ではありませんが、「意外と食える」のは事実。「いつかは自分のお店を…」なんて言わず、今、真剣に独立を考えてみませんか?

 

 

みなさんは橋本さんのお話を読んでどう思いましたか?自己資金200万円、指名売上120万円など、具体的な数字を目にしてグッと独立が具体的に見えてきた人もいるのでは…? ここでは伝えきれなかったことがたくさんあるので、本気で開業を考えている方は、橋本さんのような専門家に独立開業アドバイスを仰いでみてください。

 

  (取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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