月売上10万円からフォロワー23万人へ。”かきあげ前髪”でロング女子を魅了したフリーランス美容師・宮川勇人の次なる挑戦

 

“かきあげ前髪”爆誕。転機は人気YouTuberの来店




――200万円を超えたのは、30代になってから?

 

はい。スタイリスト4〜5年目くらいです。きっかけは、人気YouTuberの突然の来店でした。前髪なしの方で、かきあげたときに決まる前髪を作ったところ、その方がストーリーズに投稿してくださったんです。それで新規の予約が一気に20件ほど入り、驚きましたね。そこから、SNS投稿を意識した”かきあげ前髪”をつくる毎日が始まりました。

 

現在の宮川さんのインスタグラム。顔まわりにこだわったヘアデザインが目をひきます

 

一度ブームが落ち着き、またいろいろなスタイルを打ち出しましたが、再び伸び悩んで…。そんな時に、「いっそ”かきあげ前髪”に絞ってみよう」と思い検索すると、出てくるのはギャル系ばかり。「コンサバな”かきあげ前髪”の需要は絶対にある」と感じ、そこに特化し始めたら一気に広がっていきました。もともとコンサバ層の多いサロンだったので、顧客とも相性がよく、お客さまもフォロワーも増えていきました。






――そこから300万に届くのは早かった?

 

早かったです。当時は「300万超え=売れっ子」みたいな基準があったので、そこを目指していました。実際には同時施術で最大4名を担当していたこともあり、すぐに到達しました。その後、銀座店の立ち上げと同時に店長になり、忙しい毎日でしたが、3年後に退社を決意しました。16年間でいろんな経験をさせていただき「やりきった感」があったこと、そして2人目の子どもが生まれるタイミングだったことが理由です。家族との時間を増やしつつ、1人での独立という形を選んでフリーランスになりました。






カット料金23,100円。圧倒的な信頼はどう築かれた?

 

――フリーランスの拠点として銀座を選んだ理由は?

 

アシスタントを付けず、すべての工程をマンツーマンで行うスタイルだからこそ、お迎えできる人数には限りがあります。だからこそ、独立を機に料金体系を見直す必要がありました。その想いを実現できる場所として選んだのが銀座です。

 

これまで以上に、お客さま一人ひとりとしっかり向き合う時間を確保したい。施術の流れや予約方法をゼロから見つめ直し、より丁寧で質の高い体験をお届けできるよう、料金を“適正だと思える形”に整え直しました。

 

カット料金は税込23,100円と決して安くはありませんが、予想を超えるほど多くの方にご来店いただき、本当に感謝しています。仕上がりの満足度も、過ごす時間の心地よさも、常に高い水準で提供したい。その思いが、今回の価格改定につながっています。

 

 

――宮川さんのカットで意識していることを教えてください。

 

ハサミの角度や入れ方の細かさは、かなりこだわっています。チョップカットは荒めに入れる美容師さんも多いですが、入れ方で質感は大きく変わります。ロングヘアの方は毛先のダメージが気になるので、そこは特に丁寧に。

 

あとはカウンセリングですね。お客さまの話を“聞きすぎて”迷子になる美容師さんは多いと思うんです。もちろん話を聞く姿勢は大事ですが、プロとして半歩先をリードする気持ちは必要。「今日の気分は?」「毛先少し切りますか?」と軽く投げかけ、ぶっちぎりで先走らずに、ほんの少し導く。そこを大切にしています。






――現在、Instagramのフォロワーは23万人超えです。ロングヘアの差別化は難しいと思いますが、戦略は?

 

今はレイヤーカットを打ち出しているので、カットが伝わる見せ方を工夫しています。レイヤーがトレンドという追い風はありますが、ロングヘアを早い段階から開拓していたのは大きかったと思います。SNSは小手先に走りがちですが、本当に大事なのは「どんなお客さまに何を届けるか」というマーケティング的思考。表面だけ整えても、中身がなければ失客してしまいますから。

 

 

>商品開発、オンラインセミナー…。広がる新しい挑戦

 


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