純粋無垢から生まれた新ブランドMUKU。仲間と未来を背負い、理想を形にした佐脇正徳の挑戦

 

ナチュラルでありながら常に新鮮でおしゃれなスタイルを発信し、業界内外から支持を集めてきた佐脇正徳(さわきまさのり)さん。長年在籍したデザインサロンを経て、2025年にファイブスターグループと共に新ブランド「MUKU(むく)」を立ち上げました。

 

そんな佐脇さんに、ファイブスターグループ代表の佐久間正之氏と共同経営でブランド立ち上げた理由や「純粋無垢な美しさ」というコンセプト、そしてサロン立ち上げの裏側や未来への展望について聞きました。

 


 

理想のサロンを、自分の手でつくりたい

 

 

―早速ですが、前サロンから独立を考えるようになったきっかけを教えてください。

 

佐脇:前のサロンではプレイヤーとしてお客さまに向き合う一方で、店長のように後輩を育成したり、店舗をまとめたりする役割も担っていました。その中で、よりスタッフと一緒に成長できる環境をつくりたい、自分自身のレベルを上げるためにも経営にチャレンジしたいという気持ちが出てきたんです。

 

特に、後輩たちのスタイリストとしての活躍を後押するために「ブランディングや仕組みを強化したい」と感じていました。技術でサポートはできても、自分のサロンではないので広告や集客の仕組み、店舗運営の在り方などに踏み込めず。そこに自分が関わって、もっと可能性を広げたいと思ったんです。

 

 

―すぐに独立すると決めていたのですか?

 

佐脇:いえ、最初に辞めると決めたときは、ほぼノープランでした。退職を伝えてから年末までの引き継ぎ期間に「独立するなら完全に自分の力でやっていく」と覚悟を固めましたが、最初は具体的なあてもなかったんです。


そこから、独立した先輩に話を聞いたり、経営セミナーに参加したり、シェアサロンやフリーランスといったさまざまな形を調べたりしながら、自分に合うやり方を模索しました。共に働くスタッフたちとどういう形で店を持つのがいいのか、責任の重さも含めて真剣に向き合う時間が続きました。

 

「純粋無垢」を体現する美術館のような空間

 

 

―ブランド名MUKUにはどんな思いを込めたのでしょう?

 

佐脇:純粋無垢という言葉から取りました。そのままの意味に忠実に、美容に真剣に向き合い、確かな結果を出す環境にしたいと思ったんです。楽しいだけの職場ではなく、例えるとしたら、強豪校の部活のように厳しく、本気で取り組む場所にしたい。そこに集まるスタッフも、売れたいとかセミナーをしたいとか、何かしら高い目標を持っている人たちであってほしい。MUKUはそういう人たちが切磋琢磨できる場にしたいと考えています。

 

 

―サロンの空間デザインも大きな特徴ですね。

 

佐脇:そうなんです。物件選びから徹底的にこだわりました。大きな窓、高い天井、屋上まである新築物件で、設計図を見た瞬間にここだと即決。内装は美術館をイメージしました。シンプルな箱だからこそ、アーティストの作品が映えるように、スタッフやお客さまの個性が引き立つ空間にしたかったんです。余白、そぎ落とす、力の抜けたスタイルという3つのキーワードを軸に、照明や什器、動線の細部まで考え抜きました。暗いアプローチを抜けた先にパッと広がる開放感や、目に入るものを制限する仕掛け。すべて“美術館の空気感”を意識しています。

 

>工事遅延、間借り営業…独立開業のリアル

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング