純粋無垢から生まれた新ブランドMUKU。仲間と未来を背負い、理想を形にした佐脇正徳の挑戦

工事遅延、間借り営業…独立開業のリアル

 

 

―オープンまでに最も苦労したことは何ですか?

 

佐脇:一番は工事の遅延です。当初は2024年の11月に引き渡し予定だったのですが、さまざまな事情で工期が延びてしまい、最終的に物件が完成したのは2025年6月末でした。半年以上のブランクは本当に大きくて、正直かなり焦りましたね。

 

 

その間は知人のサロンを間借りしながら営業を続けました。僕に加えてスタイリスト3人とアシスタント4人の8名体制。シフトを組んで調整しながら、限られた席数と設備でなんとかやり繰りしました。移動や環境の違いでお客さまにも迷惑をかけることがありましたが、チーム全員が踏ん張ってくれたおかげで続けることができました。あの時の経験があるからこそ、MUKUのスタートにより強い結束感が生まれたと思います。

 

ようやくオープンできた時には、スタイリスト5人とアシスタント6人、合計11人の大所帯になっていました。最初からここまでの人数になるとは予想していなかったので、嬉しさと同時にブランドの看板を背負う責任を強く実感しました。

 

 

―独立してから気づいたことはありますか?

 

佐脇:経営や裏方の仕事が想像以上に大変だということに尽きます。物件の契約に関するやりとり、集客媒体の運用、スタッフの給与計算や社会保険の手続き…。美容師としての仕事以外に、こんなにもやるべきことがあるのかと驚きました。今までの環境では当たり前のように整っていたサポート体制が、実はどれだけありがたいものだったか痛感しました。

 

後輩の未来を背負うために選んだ“共同経営”

 

 

―最終的にパートナーと組むことになった経緯は?

 

佐脇:後輩たちの将来を背負う責任を考えると自分一人では限界があると感じまして。そんな時に、5年前に一緒に仕事をした経験のあるファイブスターグループの佐久間さんと再会しました。ちょうど経営セミナーを開かれていて、そこで「独立するなら、こういう形もあるよ」と声をかけてもらったんです。その提案が一番ワクワクしましたし、自分の未来が具体的に思い描けるきっかけになりました。

 

 

―共同で進めることに、迷いはありませんでしたか?

 

佐脇:まったくなかったと言えば嘘になります。でも調べれば調べるほど、経営の奥深さや難しさを実感しました。お客さまを担当するプレイヤーでありながら、スタッフを雇い、給与を支払い、集客やブランディングも全部一人で担うのは、現実的に相当ハードルが高い。だからこそ、信頼できるパートナーと力を合わせるのが最善だと思ったんです。

 

実際にタッグを組んでからは、経営面での助言やサポートを受けられることで、自分は美容に専念できるようになりました。お互いを尊重しながら強みを発揮できる関係性で、両輪でサロンを動かせている。結果的に当初の想像以上のスピードで理想に近づけていると感じています。

 

 

>“人を残すサロン”から業界を変える

 

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