ビル地下なのに行列が! 家業の床屋を全国区にした二代目の思いーりよう室 ZANGIRI 大平法正さん

理容師の価値を高めたい。全国の理容師を巻き込む、壮大な展望

 

 

ZANGIRIに戻ってきた当初は、両親の店をなんとか継続していきたいという気持ちでしたが、今では家族を含め従業員は14名、支店も増え、2店舗になりました。軌道に乗った今も、スタッフみんなで月1回のミーティングを行い、アイディアを出し合って、新しいサービスやお客さまが楽しめるイベントを考えています。

 

経営者の立場になって、お客さまだけでなく、スタッフが楽しく働くにはどうすればいいのかも考えるようになりました。ミーティングの司会を持ち回りにすることで、スタッフ一人ひとりが、自ら考えて行動することを学んでもらえたら、と思っています。お店に一体感も生まれますし、自分たちが楽しんで考えたことで、お客さまも楽しんでもらえれば、みんながハッピーでいられますから。

 

また、現在5名以上が在籍する理容室は全国で1%以下、理容師の新卒は600人を下回っていると言われていますが、そんな中で、自分は業界に対して何ができるんだろうということを最近は考えています。

 

そこではじめたのが「理容談義」。お客さまとの雑談を、雑談だけで終わらせるのではなく、統計としてデータ化する試みです。例えば「好きな漫画は?」とか「副業はありかなしか」とか「今回の選挙結果に満足している?していない?」とか。理美容室ではいろんなジャンルの雑談が飛び交いますから。これをZANGIRIだけでなく他の理美容室でも行い、ネットワークでつなぐ。そうすることで理容室発の情報に価値が生まれるわけです。今は京都や茨城の理美容室が賛同してくれていますが、これを全国各地に広めたいですね。

 

また『小さくても勝てます』を、ドラマ化や映画化にしようと、さかはらさんも動いてくれています。これはぜひ実現してほしいですね。人材不足の現状を打破するには、理容師になりたい人を増やさなければならない。この本はお硬いビジネス書ではなく、小説のようなストーリー性もあるので、ドラマにぴったりだと思うんです。それで多くの若者が理容の世界は楽しそうだな! と思ってくれたらいいなと思っています。

 

プロフィール
「りよう室ZANRIGI」
代表/大平法正

西新宿「りよう室 ZANRIGI」の二代目。理美容師として店に立ちながら、経営改革を行い2号店をオープンさせるほどの人気店に育てる。放送大学卒業や人相学の嘉祥流観相学の導師を取得するなど、自身の学びも欠かさない。

 

(取材・文/若月美沙 撮影/河合信幸)

 

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