二十歳の頃、どう過ごしてた? siika NIKAI/サトーマリさんの二十歳の頃。

─すごく縁があるサロンだったんですね。

 

実は、新卒の面接のときも一度落ちていて、本来内定をもらっていた子が辞退した結果私が入社することになったり、本当にいろいろタイミングが合うサロンで。ダメになっても、最後にはそこに戻ってくる運命だったのかなと思っています。

 

 

─当時、特に力を入れていたことはなんでしたか?

 

1社目のサロンに戻ってからは全然気持ちが違って、辞めるなんて選択肢はないから全て必死。多分、ようやく覚悟が決まったんでしょうね。

雑誌の撮影にもたくさん参加しましたが、その経験はあのサロンでしかできなかったなと思います。撮影が毎月15~20本くらいあって、もちろんサロンワークもしていたので休みは月に1回。ただ、一度その環境を離れているので「仕事があることのありがたさ」も身に染みていましたし、信じてついていくと決めていました。

 

─酸いも甘いもあった日々だと思いますが、楽しさを感じていたのはどんな部分でしたか?

 

楽しさなんてないですよ(笑)。そんな余裕はないです。美容師っていうのは、あのわずかなアシスタント時代で、それまでの学生時代にしっかり勉強をしてきたいわゆる会社員の人たちと同じくらいお金を稼げるようになるための準備をしないといけない。

 

 

学生時代に甘んじていた部分を取り戻さなければいけないわけで、普通に楽しんでやっていたら無理なんです。

もちろん休みが欲しいとか、給与が欲しいとか思うのは悪いことではないですよ。でも、甘くなるほど上に行くのが難しい業界なのは、今も昔も変わらないような気がします。

 

二十歳のみんなへ

 

 

私は美容師生活に期待していたからこそ辛くなってしまったし、今の時代でもギャップで心が折れてしまう人が多いですよね。美容師になる時って「会社員は楽しくなさそう」とか、「キラキラしてるし、好きな服着れるし、好きな髪形出来る」みたいな理由で選ぶ人も多いと思うんですけど、いざ働き始めたらそんな考えは一瞬にして覆されるんですよ。きっと最初は「え、1回も座れないの?」から始まると思います(笑)。

私もそうだったけど、1年目なんて朝起きる、毎日出勤するだけでも精一杯。その状態で、社会人としての受け答えとか、先輩に対するマナーまで全て完璧にこなすのは無理ですよね。1年目から、「スタイリストになったら」なんて前向きに先のことを考える余裕はない人が多いんじゃないかな。もしかしたら、いつ辞めるかで頭がいっぱいの人もいるかもしれません。

そんな状態のときに、「美容は頑張れば楽しいし、常にステップアップしていく職業だから」なんて言われても、実感がわかないですよね。何言ってんのこの人、って感じだろうし、私だったらそう思う(笑)。でもね、1年目、2年目、3年目と年数を重ねていけば、景色が変わることは間違いないです。最初は怒られることも多いだろうけど、不思議なことに、後輩ができると自然と自分を律せるようになっていくので、あまり心配しすぎなくて大丈夫だと思いますよ。

 

私から一つ伝えたいのは、今が楽しくなくてもいいということ。むしろ楽しくないのが当たり前だし、案外周りもみんな楽しくないと感じているはず。他人は楽しそうに見えるけど、そう見せているだけです。泣きながらでも毎日出勤できるだけで最初は十分だし、楽しいと思えない自分に疑問を持たずに、踏ん張ってなんとか続けてみて欲しいなと思います。

 

(文/リクエストQJ編集部 撮影/菊池麻美)

 

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