圧倒的な量が質を生む! アシスタント時代に日本武道館に立った“MINX期待の星“ -MINX 後藤 晃成さんU29次世代美容師-

「アシスタントの割によくやるね」から「お前、本当にすごいな!」へ

 

 

デビューしたのは今年に入ってから。自分が想定していたよりもデビューまでに時間がかかったのは、モデル係が長かったことと、アシスタント時代からコンテストの準備に時間を割いていたからです。

 

アシスタントは営業後にカットモデルさんを入れるのですが、僕はコンテストの2週間くらい前から準備を優先していたので、その間、カリキュラムを進めるためのカットモデルが入れられませんでした。それほどコンテストにのめり込んだ理由は、最初に出した作品がコテンパンに批評されて悔しかったから。負けん気に火がついたんです。

 

コンテストにのめり込む僕の姿に、最初のころは「アシスタントなのによくやるね」みたいな感じで、先輩たちからも軽く見られていたと思います。でも、ナプラドリームプラスのファイナルに進出して、日本武道館に行き、「お前、本当にすごいな!」と言われましたし、周囲の目も変わった気がします。それ以降、会社のバックアップを受けながらコンテストに出場できるようになりました。

 

PROJECT_Cというヘアショーでは岡村と、原宿店トップデザイナーの藤巻、デビューしたての僕という布陣で参加しました。僕が特別優れているから選ばれたのではなく、会社としてチャンスを与えるための人選だと感じています。こんな風に、上の人たちが成長のチャンスをくれるから、期待に応えたいという気持ちが、どんどん大きくなっていくんですよ。

 

Instagramばかり見て、雑誌や業界誌を見ないのはもったいない

 

 

「ここから3年は仕事が山ほどくる。結果が出ればさらに仕事が増える。会社としても、仕事を振るつもりだから、死ぬ気でやれ」

 

これは、あるとき社長の岡村からボソッと言われた言葉です。こんなことを言われたら、やるしかないですよね。サロンワークも撮影も、それ以外のどんな分野でも結果を出して、後輩に背中を見せられる存在になりたいと思っています。MINXにはスタープレイヤーがたくさんいます。ただ、凄すぎてアシスタントは“遠い存在”すぎる。僕は去年までアシスタントだったから、後輩たちの身近な目標になれると思っています。

 

僕は自分にクリエイティブの才能があるとは思っていません。それでも、優れたデザインを自分の中に蓄積していけば、表現力を高めていけると考えています。大切なのは、「いいものをいいと感じる感性」。世の中で評価されているヘアスタイルやファッションなどに触れて、自分が「好き」とか「いい」と思えるレベルを高めていくと、クオリティを左右する髪一本の動きなど、細かい点にも気づけるようになります。

 

僕の同世代にはInstagramは見るけど雑誌や業界誌は見ないという人が多いです。でも僕は、業界誌はデザインのヒントの宝庫だと考えています。自分の身の回りだけでなく、広い視野で優れた作品に触れることが、自分のセンスを磨く近道だと信じています。だから、雑誌や業界誌を読まないって聞くともったいなって感じるんですよ。

 

これからも僕は幅広く学びながら、サロンワークも業界誌の撮影も、一般誌の撮影も全部、マルチに展開していくつもりです。そのために24時間髪のことを考えながら、前だけを見て走り続けます。

 

プロフィール
MINX 青山店
トップデザイナー/後藤 晃成(ゴトウ コウセイ)

岐阜県出身。名古屋理容美容専門学校卒業後、代表取締役社長の岡村享央氏に憧れてMINX入社。人気デザイナーの元でアシスタントに励み、ヘアショーやコンテストにも積極的に参加。ナプラドリームプラス2017にて6位入賞などの実績を残す。2018年にデビューを果たした注目のトップデザイナー。

 

 

(取材・文/外山 武史  撮影/菊池 麻美)

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