「やること」と「やらないこと」、思考の断捨離で自分らしく働く “THE GARDEN” TOKYO・荒井夏海さん─天職WOMAN─

 

銀座の“THE GARDEN” TOKYO(ザ ガーデントーキョー)で、トップスタイリストとして活躍する荒井夏海(あらいなつみ)さん。アシスタント時代は懸命に練習に励み、早期のスタイリスデビューを叶えましたが、その年はコロナでお客さまが激減した2020年。しかし、その状況をチャンスに変えて集客を実現していった荒井さんは、2年後にはトップスタイリストに昇格しました。どんなときも悠々と進んでいく荒井さんに、転機となったエピソードやサロンワークで大切にしていること、困難への立ち向かい方などについて伺いました。

 


 

先輩からの助言で、デビュー時のInstagramフォロワー数は3万人!

 

 

学生の頃から東京で働くことは決めていて、在学中に有名店はいろいろ調べていました。その中で、可愛いスタイルを作っているなと注目したのがGARDENでした。実際に行ってみると、接客はもちろん、シャンプーの技術なども含めて、アシスタントのプロ意識がどこよりも高いなと感じたんです。それが第一志望にした理由でしたね。

 

入社後は原宿店に配属され、1年間みっちり先輩から技術を教えてもらいました。途中からその店舗のアシスタントは私一人だけという状況になったのですが、毎日細かく練習を見てもらえる分、厳しいこともありましたが技術の上達スピードは早かったなと思います。先輩はプライベートでご飯にもよく連れていってくれて、大変だけど楽しい日々でした。

 

 

2年目に銀座店に異動してからも、カリキュラムの進み具合は順調でしたね。もともと負けず嫌いですし、早くデビューできる方がかっこいいと思っていたので(笑)、人一倍練習に励みました。その結果、通常より1年早い丸2年でカリキュラムが終わったんです。ただ、それがちょうど2020年4月とコロナ禍真っ只中だったので、デビュー時期は9月へ持ち越されました。

 

私は1年目からインスタで「セルフアレンジ」を投稿していて、デビュー時点でフォロワーが3万人ほどいたんです。投稿を始めた頃はまだSNS集客が主流ではなかったのですが、先輩たちが「今からやっておいたほうがチャンスあると思うよ」と言ってくれて。その結果インスタが育って、モデル集客やデビュー後の集客にも使えたので、本当に感謝しています。デビュー後もコロナ禍でお客さまは来店しにくい状況ではありましたが、逆にお客さまとしっかり向き合い手厚い営業ができたので、着実にリピートを増やすことができました。デビュー後に抱えがちなさまざまな悩みも、ひとつずつ解決できる時間があったので、今となっては「あのタイミングで良かったのかも」と思っています。

 

数字よりも、目の前のお客さまに目を向ける

 

 

デビュー後は、代表からのアドバイスもあって年末の売上を毎年100万ずつ上げていくという高い目標を掲げました。ありがたいことに順調に目標を達成して、3年目の12月に300万を達成。でも、数字を追いかけ過ぎて半泣きで営業している自分がいて…。「私はお客さまをちゃんと幸せに出来ているのか?」と思ってしまったんです。そこから売上が230万まで下がり、1年ほど停滞期に。正解が見つからないまま再び12月になったときに、勇気を出して「12月は通常どおり営業します」と会社に伝えたのですが、不思議なことに売上が落ちるどころか上がったんですよ。自分の中の力みが抜けたんでしょうね。

 

振り返ってみると、私はあの時に美容師の“在り方”を変えたのが良かったのかなと思います。数字ではなく、お客さまが一番喜んでくれる“カット”に意識を向けることにしようと、練習時間を増やしたんですよ。その結果、お客さまからどんなオーダーがあっても自信を持って切れるようになりましたし、以前よりスタイルについて考える時間が増えてサロンワークが楽しくなっていきました。

 

 

それまではどんなスタイルを打ち出すか定まっていなかったのですが、お客さまに話を聞くと「楽で可愛くなれるスタイルがいい」という声が多かったので、ドライヤーだけで可愛くなれるスタイルとか、朝5分で楽に決まるスタイルといった打ち出しに決めました。そして、お客さまが鏡を見たときに一番目に入りやすい顔まわりのデザインにこだわったスタイルを提案するようにしたんです。髪を巻くのが苦手な方でも、前髪や顔まわりなら、ご自身で少しアイロンを通すだけで “可愛い”を作ることができますよね。その一方で、後ろは触りにくいので、乾かすだけでも形になるように扱いやすさを意識しています。

 

インスタで幅広いレングスのスタイルを発信しているのは、いろんな髪型のお客さまに来ていただきたいからです。お客さまも同じ長さは飽きるでしょうし、なにより私自身がいつも新鮮な気持ちで切れるように、レングスは統一していません。また、お客さまと一緒に歳を重ねていくのが理想なので、長く通ってくださる方の多い30代以上の方に見ていただけるように発信の内容も意識しています。

 

>週5日は仕事に集中し、休日は100%自分に使う

 

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