生活感も清潔感も、美容師の一部。プライベートも含めたブランディングで信頼を築くSOIE Kaoriさんー天職WOMANー
丁寧な暮らしを発信することは、大人の女性に共感してもらえるブランディングの一部

今は、SNSでの発信も含め、美容師としてもメリハリをもって働きながら、美容以外の時間も大切にしています。
というのも、30代半ばという年齢になって、仕事をしている姿やスタイル写真ばかりをInstagramにあげていると、お客さまに「ちゃんと休んでる?」と心配を与えてしまうことがあると知ったからです。美容師としての投稿の中に休日の出来事を交えて発信することで、それがお客さまの印象に残り、「私生活も充実している人」として信頼を寄せてもらえるんですよね。

食べたものや料理、季節の手仕事の投稿をときどきしているのもそのためです。プライベートのことを発信することで同じような感性のお客さまが来てくださいますし、同世代のお客さまが来店してくださったときに「夜ご飯、何を作っていますか?」なんて聞いてもらえるのも楽しい時間です。
メリハリという点では、仕事中にどう見られるかをより意識するようにもなりました。20代の頃はオフの方がおしゃれをしているような感覚がありましたが、今は仕事を中心に服を揃えたりメイクを考えるようになっていますね。逆に、オフの日はメイクも最低限。それだけのことでも、肌を休めたりと気分転換になっています。
外見だけでなく、日々の生活や清潔感はお客さまに大きく伝わる。だからこそ、プライベートも含めてブランディングの一部なのだと思うようになりました。

SOIE入社の3年目からは、店長を任されています。実は前のサロンに所属していたときも店長代理を務めたことがあったのですが、先輩を追い越して任された役職だったため重荷に感じてしまっていたんです。思えば20代のときの私は目の前のことに精一杯で、カリキュラムの進みやデビューこそ早かったものの、他の部分では自分の将来像が見えていませんでした。目標を設定せずに進んでいたことで、遠回りをしてしまっていたんでしょうね。
今は年齢を重ねてきましたし、憧れて入ったお店で任された責任を嬉しく受け止めつつ、自分のように遠回りしてしまいそうな若手美容師さんたちの助けになれたらと思っています。
5年後、10年後の自分を思い描くと、まだ埋めきれていないパズルのピースがたくさんあるんですよね。技術も感性も、SNSでの発信力も、少しずつそのピースを集めていき、自分を誇れる美容師になっていたいです。

- プロフィール
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SOIE OMOTESANDO/店長
Kaori
栃木県出身。資生堂美容技術専門学校卒業後、都内のサロンに入社。3年間のアシスタント期間を経て順調なキャリアを積み重ね、店長代理を務める。その後、社内でフリーランスとなり、美容師とジュエリーショップの販売とWワークをこなす。2020年にSOIEの一員となり、現在は店長に。ボブを中心とするスタイル作りはもちろん、ライフスタイルの発信も注目されている。
Instagram:@__kaorimiyazaki_
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)