成人式や卒業式、推し活も! お客さまの”特別な日”をヘアでアップデートするnico by Chárm・藤田歩奈さん─天職WOMAN─

お客さまの”特別な日“に携われる、喜びとやりがい

 

 

初めて成人式の振袖の着付けを担当したときのことは、今でも鮮明に覚えています。一生に一度の大切な日を任されるプレッシャーで手が震えるほど怖くて、その日のために何度も練習を重ねたのに、それでも不安と緊張が押し寄せてきました。なんとか仕上げたものの、「本当にこれでよかったのかな」と心がざわついたまま一日が終わってしまって。

でもその夜、「いい式になりました」とたくさんの写真と感謝のメッセージを送っていただいた瞬間、胸の奥から嬉しさが込み上げました。その経験をきっかけに、もっと練習を重ねて自信をもって臨みたいと思いましたし、“特別な日”に携われるこの働き方を大切にしていきたい、と心から感じました。

 

 

そこで働き方を少し見直し、平日は通常のサロンワーク、土日の午前中はヘアセットを優先するスタイルに切り替えたところ、予約が増えるように。繁忙期の土曜日はヘアセットだけで10名以上になる日もありました。

 

ヘアセットが大好きなので、自分が思う「こうしたら絶対かわいい」を形にして、お客さまと一緒に「かわいいですよね」と共有できる時間が本当に楽しいです。特別な日はお客さま自身の思い入れが強いぶん、喜んでいただけたときの感激も倍になりますし、直接お礼を言っていただけるのが大きなやりがいになっています。

 

“フリーランスで自分たちの城をもつ”という働き方へシフト

 

 

売上が安定してきた頃、「もっと自由に働ける環境がほしい」と思うようになり、もともと夢だった独立を決意しました。シェアサロンで働く選択肢もありましたが、ご縁が重なり、同期と2人でプライベートサロン『nico』をオープンすることに。前社も応援してくれて、アシスタントも1人ついてきてくれました。

 

独立して大きく変わったのは、時間の使い方です。以前は仕事中心で時間的な余裕があまりなかったのですが、今は旅行に行くときはしっかり休んで、プライベートも思い切り楽しめるように。今まで、休みの日も練習をすることや、夜遅くまで働くことに抵抗はなかったのに、自分の裁量で働くようになって、「自分はプライベートも大事にしたいタイプなんだな」と気づきました(笑)。

 

 

旅行などプライベートの面だけではなく、着付けのレッスンや外部セミナーなど、“学びたい”と思ったことに自由に時間を使えるのもフリーランスの良さだと思います。技術は続けないと手がなまってしまうので、時間を見つけて積極的に学びに行くようにしています。

 

既存のお客さまを大切にしながら、飽きられないよう新しい練習を取り入れたり、美容技術の幅を広げたりすることも意識しています。私はまだ20代半ばですが、これから出産や育児で一時的に仕事から離れる可能性もあると思うので、そのときに“戻ってきやすい技術”を持っていることはとても重要だと感じているんです。最近は、その一環としてアイブロウやアイラッシュの勉強も始めました。

 

 

いつかは自分のお店を持ちたいという夢もあります。カフェ経営にも興味があるので、カフェにサロンが併設されたような空間がつくれたら最高ですね。自分らしいやり方で、少しずつ理想の形を見つけていきたいと思っています。

 

プロフィール
nico by Chárm
スタイリスト/藤田 歩奈(ふじたあゆな)

2000年、東京都生まれ。原宿ベルエポック美容専門学校卒業後、都内人気サロンに入社。学生時代から得意としていたヘアセットと着付けで支持を集め、お客さまの”特別な日”をおしゃれにアップデート。2023年12月にフリーランスとして独立し、現在は外苑前のプライベートサロン『nico by Chárm』を拠点に活躍中。

Instagram:@f__ayuna

 

(文/織田みゆき 撮影/菊池麻美)

 

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