美容師のやりがいはどこにある? Peopleと歩んだ13年。加藤梨奈さんの学びの原動力は、大切なお客さまとの関係を繋ぐこと―天職WOMAN―
原点はいつも“人との関係性”。13年続けて見えた美容師という天職

スタイルを作るためのインプットは、様々なところにあります。アシスタントの頃は、モデハンをしながら街のかわいい子がどんな服を着ているのかを見たり、画像もたくさん集めていました。
最近は、アートから着想を得ることも増えました。美術館に行くようになったきっかけは、アシスタント時代に先輩から勧められたこと。「かわいいもの、センスがいいものがわからなくなったら、一流のものを見るといいよ。みんながすごいと言っているものは、他と何が違うのかを見ると勉強になるから」と言われて、アート鑑賞が習慣の一つになりました。
私は一人でじっくり見るというより、誰かと一緒に行くのが好きです。同じ展示を見ても、人によってグッとくるところや、切り取る場所がまったく違う。「この人はここをかわいいと思うんだ」「こういうのが好きだから、この髪型なのかな?」など、視点の違いがすごく面白くて。

一緒に行った人がInstagramのストーリーに上げた写真を見て、「そこが良かったんだ」と思う時間も好きだし、人の感性に触れること自体が、私にとって大事なインプットなんだと思います。
これも、やっぱり正解は一つじゃなくて、全部が正解なのがおもしろいですよね。その感覚は、いまの自分のスタイル作りにもつながっている気がします。
美容師をしていると、私のやりがいや楽しさの原点は、美容師を志した当初に憧れた「お客さまとの関係性」にあると改めて感じます。
冒頭にお話ししたように、私が美容師になりたいと思ったきっかけは母でした。髪を通してお客さまに長く寄り添い、人生の節目を一緒に重ねていく。その姿を近くで見て育ったからこそ、私にとって理想の働き方は、ずっとサロンに立ち続けることなんですよね。その目標を叶えるためにも、常に学び、自分をアップデートしていく必要があると感じます。

コロナ禍でも、美容師とお客さまの関係性の強さをあらためて実感しました。休業期間などサロンが大変な状況の中で、クラウドファンディングでチケットを購入し、助けてくれた方がたくさんいらっしゃったんですよ。お客さまたちも大変な状況なのに「peopleがなくなったら困るから」と足を運んでくださる姿を見て、それまでの積み重ねがあったからこそこんな形で返ってくるんだな、と胸が熱くなりました。
美容師は、髪を整えてお金をいただいているのに「ありがとう」と感謝までしていただける、本当に特別な仕事だなと感じます。
いまは、自分のお客さまとの時間を積み重ねている最中。これからも、私が思い描くかっこいい女性像を髪で表現しながら、大好きなお客さまの人生に長く寄り添える美容師でいたいですね。おばあちゃんになっても現場に立ち続けたいと思っています!

- プロフィール
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people/クリエイティブスタイリスト、カラーリスト
加藤 梨奈(かとう りな)
茨城県出身。日本美容専門学校卒業後、peopleに入社。ナチュラルな中にも、どこかエッジや強さのあるスタイルを得意とし、同世代のファッション感度の高い女性から支持を集める。デザインカラーも評判。
Instagram:@katori____na
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)