たとえ遠回りでも、自分の道は自分で作れる。上京で広がった美容師としての可能性 SLEEPY 荘司海右さん―天職WOMAN―
作り込みすぎない“人間らしいヘア”。ヨーロッパの質感に惹かれて見つけた自分のスタイル

スタイリストデビューして以来、私が提案しているのは作り込みすぎないスタイルです。
大きなくくりで言えば、ピュアで人間らしい雰囲気のもの。ヨーロッパの女性のようなやわらかい髪の質感や、くせ毛風のパーマ、肌や体の色味に近いカラーがベースです。
実は、学生時代はモードっぽい作り込んだスタイルが好きだったんですよ。ただ、アシスタント時代を過ごした前社にそういったテイストを作る人はあまりいませんでしたし、尖ったスタイルに触れる機会も多くはありませんでした。そうした環境の中で過ごすうちに、生活の中に馴染むヘアが好きになっていったんだと思います。SLEEPYのブランディングもラフでナチュラルな雰囲気なので、よりそのテイストに惹かれていっていますね。

Instagramの投稿も、作り込みすぎない雰囲気を意識しています。愛知にいた頃は、いわゆる美容師のInstagramらしいバストアップのスタイル写真が多かったんです。当時はそういう投稿が主流でしたし、集客につながりやすいのもやっぱりバストアップのスタイルだったと思います。
ただ、私は“美容師っぽい写真”になりすぎるのに抵抗があって。ヘアスタイルだけを切り取るより、ファッションの一部として提案したいという気持ちがあったので、少しずつ変えていきました。
今はムードを少し落とした写真だったり、全身の雰囲気が伝わるようなカットを意識しています。スナップのような感覚で撮って、ヘアだけではなく、全体の世界観として見てもらえたらいいなと思っています。
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ただ、美容師のアカウントとしては、やっぱりバストアップの写真の方が見てもらいやすいのも事実。なので、そのバランスはいつも考えていますね。
それでも私の場合は、ヘアスタイルだけを求めて来てくださるというより、ファッションや日常の雰囲気を見て来てくださる方が多い印象があります。実際にお客さまに「何を見て来てくださったんですか」と聞いても、ヘアスタイルの投稿よりも、ファッションやライフスタイルの投稿を見て来てくださったという声が多いんですよ。毎月の売上や投稿のリーチ数を見ながら、自分のSNSが、誰にどう見られているのかは意識して分析しています。
その結果も鑑みて、今はヘアとライフスタイルの投稿をだいたい半々くらいのバランスで発信しています。ヘアの情報として役立つ部分と、私自身の雰囲気が伝わる部分、その両方を見てもらうことで、「この人に髪をお願いしたい」と思ってもらえたらうれしいですね。
>撮影、ビジュアル制作、サロンワーク。任される仕事が広がる中で見えてきた現在地