後輩におごるのも仕事!?-美容師のお財布事情を調べてみた-
Sさん/27歳/男性(売り上げNo.1スタイリスト)の場合
-どんなものをおごることが多いのでしょうか?
おごるというよりも、プレゼントのようなかたちでアシスタントの男の子に洋服を買ってあげることが多いですね。頻繁に男から男にプレゼントをするなんてちょっと気持ち悪いかもしれませんが(笑)
美容師という職業柄、身だしなみを整えておくことはとても重要です。その身だしなみが崩れていたり流行に乗れていなかったりする場合は、先輩が気付いてあげるべきだと思うんですよ。なので、後輩たちにはコレ着とけば間違いない!というようなアイテムを贈ってあげるようにしていますね。
-先輩が後輩におごる制度についてはどう思いますか?
もちろん問題ないと思いますよ。とはいえ、1人のアシスタントに連続しておごるようなことは避けた方がいいと思います。おごるときは全員またはローテーションするようにおごらないとだんだん不公平が生じてくると思うので。
僕の場合、お酒を飲んで酔っぱらうとなんでもおごってしまうクセがあるらしく…飲んだ翌日、財布がすっからかんになっている度に、どうしてこうなったのか記憶をたどってます(笑)
-今までおごった中での最高金額は?
3万円くらいですね。そのときはお店のスタッフ6人ほどを居酒屋に招待して、自分が会計を全て持ちました。そういった集まりは数ヶ月に一度はやっていますね。おごられる方はもちろん嬉しいと思いますけど、おごる方も気持ちがいいんですよ。ただ最近では恋人がいない寂しさを後輩におごることで紛らわしているんじゃないかと思いはじめてきました…。
Oさん/24歳/女性(アシスタントリーダー)の場合
-どんなものをおごることが多いのでしょうか?
わたしは女性ということもあり、あまり“おごる”ということはしません。もちろん、出先での撮影やイベントの際などにご馳走することはありますが、そういった特別な場面じゃないとおごらないですね。そもそも、サロンメンバーと一緒にランチや夕飯を食べに行くこと自体が滅多にないので。
-先輩が後輩におごる制度についてはどう思いますか?
わたし自身、先輩に無理矢理食事に連れて行かれることがすごく嫌なんですよ。お店が終わった後は疲れているし、次の日も出勤は早いし、先輩の話って毎回同じ内容ばかりで面白くないんですよね(笑)サロンに入ったばかりの頃は、なぜかよく焼き肉に連れて行かれました。肉を食って元気になれってことなんですかね?とにかく、後輩たちにはそういった苦い経験をさせたくないので、わたしはあえて自分から誘うことはしないです。
ただ、その子の誕生日やテストに合格したなどの“記念日”にはちゃんと食事に連れて行きます。その際は、わたしが金銭的に余裕がないときでも後輩の好きなものをおごってあげるようにしていますね。
-今までおごった中での最高金額は?
確かアシスタントメンバー共同で使うMac book airを買ってあげたときの10万円が最高だと思います。これは、当時のアシスタントメンバーがみんなでブログを始めようとしていたんですが、使えるパソコンがないということだったので奮発して買いました。
アシスタント全員が自発的に進めようとしていたブログだったので、店長やオーナーにパソコンを買ってもらうのはちょっと違う気がして。結果的に、ブログは好調だしアシスタントのみんなも率先して更新してくれるので、買ってあげてよかったなー、と感じています。
先輩スタイリストはやはり意識して後輩たちにおごっているようです。最後の方は、一見おごることに対して否定的なのかと思いきや、パソコンを買ってあげるという太っ腹エピソードが。
おごる回数やおごった物よりも、「どうしておごるのか」という部分に先輩たちの愛情が感じられたように思います。過去の自分と照らし合わせて、後輩たちの気持ちを汲んであげる姿勢はたとえそれが仕事でなくても大切なことです。おごる側もおごられる側も、気持ちよく過ごせる関係でありたいですね。
(文:長橋 諒)