教員は、学生の成長と変化を目の当たりに感じることができる

–ドラマチックなタイミングで連絡が来たんですね！ 教員として働いていてどんなところにやりがいや魅力を感じていますか？

たくさんありますが、まず一番は、学生が技術や授業の内容を理解して「わかった！」と表情を明るく変える瞬間がすごく好きです。その一瞬に立ち会えることが、本当に嬉しいんですよね。最初は不安そうだったり、手が止まってしまっていた学生が、ポイントをつかんだ瞬間に一気に自信を持ち始める。その成長と変化を目の前で感じられるのが、教員という仕事の大きな魅力だと思っています。

また、僕自身、美容オタクなところがあるので、授業を通して知識がどんどん深まっていくのも楽しいポイントです。教員になってからのほうが美容師さんのSNSなどでの発信内容も腑に落ちやすく、理論がわかるぶん応用の幅も広がりました。

さらに、毎日いろいろなタイプの学生と向き合うことで、自分のコミュニケーションの引き出しが増えていく感覚があります。「自分にこんな一面があったんだ」と気づかされることも多く、学生と一緒に成長している実感があります。

現場のリアルを学生に伝えたい

−美容師の経験が活かされていると感じるのはどんな時ですか？

「この頭の形なら、この角度で切るとこう仕上がる」「この髪の状態に、この薬剤を混ぜるとこう発色する」など、教科書では補いきれない実践的な知識を、理論的に説明できるのは、美容師として現場を経験してきたからこそだと感じています。

また、僕も当時はそうだったんですが、美容業界の実情を知らないまま就職して、ギャップを感じて辞めてしまう学生はすごく多いんです。例えば人間関係など、就職してから起こりうる問題、お給料や休日などの勤務条件など、良くも悪くもリアルをしっかりと伝えることで学生が自分に合ったサロンを選び、早期離職を防ぐことにつながると思っています。そうした“リアル”を踏まえてアドバイスできるのは、4店舗でさまざまな働き方や環境を経験してきたからこそ。現場をよく知る自分だからできるサポートがあると感じています。

真のプロフェッショナルを目指すことのできる環境

― 教員へのキャリアチェンジを考えている方へ、アドバイスはありますか？ また、三幸学園で働く魅力やおすすめできるポイントを教えてください。

少しでも興味があるなら、ぜひチャレンジしてほしいです。周りの教員に聞いても、もともと「先生になりたい！」という強い想いを持って就職した人は意外と少なく、きっかけは“誘われて”だったというケースも多いんです。

また、「専門学校　教員」と検索すると、業務量が多く休みが少ない……といった情報も見かけますが、三幸学園は教員数が多く、しっかり休みが取れる体制が整っています。実際、僕自身は美容師時代と比べて休みが増えすぎて、逆に不安になるくらいでした（笑）。定時も17時45分と早く、家庭とのバランスもとりやすい環境です。

さらに、教員として働くことで美容の知識は格段に増えますし、現場で本当に求められるスキルや、サロンの求人状況・待遇などの業界のリアルにもより詳しくなれます。経験を重ねるほど、美容業界のプロフェッショナルとして、視野が広がっていく感覚があります。今の働き方に物足りなさを感じていたり、新しいことに挑戦してみたいと思っている方には、きっと楽しくて刺激のある選択になるはずです。

−今後の目標を教えてください。

教員としての毎日はとても充実していて、できる限りこの仕事を続けていきたいと思っています。そのうえで、将来的には“この学校で育った学生たちが、働く場所に悩んだときに戻って来られるサロンをつくることが夢です。僕が担任しているヘアメイク科は、美容師志望だけでなく、アイリストやヘアメイクを目指す学生、または複数の働き方を組み合わせたい学生も多いんです。でも、現状では「美容師×アイリスト」「アイリスト×ヘアメイク」など、自由に兼業できる環境はまだまだ少ないのが実情。

だからこそ、卒業生が自分らしい働き方を選べて、夢を叶えられる場所をつくりたい。 “ここなら、また挑戦できる“と思ってもらえるサロンを、いつか形にできたらと考えています。

プロフィール

学校法人三幸学園／横浜ビューティーアート専門学校
教員
鈴木良浩（すずきよしひろ）

神奈川県出身。横浜ビューティーアート専門学校卒。神奈川県内のサロンを4社経験後、教員へとキャリアチェンジ。自身のプレイヤー時代の経験を活かした、実践的かつ理論的な指導に定評を持つ。