ママ美容師が語る、COVER HAIRという“選べる職場” 女性美容師のキャリアは終わらない。“母になったからこそ、強くなれた”と言える仕事を
仕事が好きなら、何があっても細く長く続けていこう

―仕事と子育ての両立をしていく中で、美容師をやめる選択が頭をよぎったことはありましたか?
渡邉:産休中は、「のんびり子育てに専念するのもいいかな?」と思ったことはありました。でも、産休から復帰した初日に、いつも大きなママバッグを抱えて歩いていた自分が小さなバッグひとつで出勤している身軽さと、自由にお手洗いに行けて、お茶ができて、大人の会話ができることに感動したんですよね。4年ぶりに、自分の世界を取り戻した感覚になって。家族に必要とされながら、美容師の世界に戻りたいなって心から思いました。復帰してからは、やめたいと思ったことは一度もないですね。
中田:私も、やめたいと思ったことはないです。美容師が好きですし、仕事がない人生を想像できないんですよ。だから、細く長く続けていきたいなと思っています。子供が赤ちゃんの頃、周りのいろんな方から「仕事は離さないほうがいいよ」と助言をもらってきて、第一子が13歳になって手が離れてきた今、その言葉の真意がすごくよく分かるんです。シングルマザーになったときも仕事があったので助かりましたし、いろいろ大変なことはありましたけど、続けてきて良かったな…と思っています。

渡邉:うちは子供が保育園ではなく、幼稚園の預かり保育を利用しているんですが、「なんでママは他のママみたいに迎えに来てくれないの?」とか、「仕事やめてほしい」とよく言っていたんですね。そんなときに、「ママを待ってるお客さまがいるんだよ。○○ちゃんが頑張ってくれてるから、ママも頑張れるんだよ」と言うと、嬉しそうな顔をして「今日は何人予約入ってるの?終わったら迎えに来てね」って(笑)。だんだんと私の仕事がわかるようになってくると、「ママはチョキチョキ屋さんだよね」と自慢げに言ってくれたりするようにもなり、続けてきて良かったなって。細々とでも、続けることが大事なのかなと思います。
中田:私も働き方を第二子からガラッと変えたので、もうフルで働くという選択はなくて。今40代ですが、加齢と共に体力も落ちていきますし、時短で細く長く働き続けるほうがいいかなと思っています。いいバランスを見つけて、体を大事にしながら仕事を続けていきたいですね。

渡邉:私も、今はフルで働くのは考えられないです。でも子供がやりたいことは経済的にも応援してあげたいので、それに対応できるように準備はしていきたいと思います。限られた時間で稼げるのは美容師の特権だと思うので、満足できる収入を効率的に得ていくのも目標のひとつにしてますね。