「鏡を見たとき、心がときめくヘアを届ける」AWESOME西牧瑞希さん #Z世代のスター発掘
SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を持って激しい競争の中を勝ち抜いているのでしょうか?
今回は、渋谷のAWESOME(オーサム)で活躍するスタイリストの西牧瑞希(にしまきみずき)さんが登場。柔らかなニュアンスと“その人らしさ“を引き出すスタイル作りで支持される西牧さんですが、Instagramでは日々のファッションや食、足を運んだ場所など自然体のライフスタイル写真を投稿し、そのセンスの高さで人気を集めています。
どのようなアシスタント時代を過ごし、どんな美容師像を目指して感性を磨いてきたのか、積み重ねた努力の裏側と今後のキャリアビジョンに迫りました。
アシスタント1人という環境が、大きな成長ポイントに
私は、自然豊かな長野で生まれ育ちました。上京したいと考えるようになったのは、中学生で美容師を志したタイミングから。ファッションが好きでしたし、最先端のトレンドに触れられる環境に身を置きたかったんです。専門学校も東京の学校を選び、18歳で上京。新卒で入社したAWESOMEとの出会いは、インスタで見たルックです。そのセンスに魅了され、実際に何回か通ってみて、サロンの居心地の良さや空気感に惹かれて入社したいと思うようになりました。
入社してからスタイリストデビューするまでに、同期や後輩がいた時期も少しありましたが、一人の時間が圧倒的に長かったですね。一人で過ごすアシスタント期間は、今振り返ると「ハードだったな…」と思うのですが(笑)、私はこう見えて“スポ根“なところがあるんです。「辞めたら負け、全ては自分次第」と思っていて、続けることに揺るぎない信念を持っていました。
大変さの裏にはメリットもあって、それぞれのスタイリストの技術やこだわり、接客などを間近で独り占めできましたし、撮影のメイクを担当させてもらえる機会も多くありました。贅沢な経験ができて、かけがえのない財産になったと思っています。
もともとライバルがいる方が燃えるタイプで、店舗に同期がいない環境に物足りなさはあったのですが、私にとっては専門時代の友達が同期のような感じでしたね。働くサロンは違えど、状況などは近しいものがありましたし、「みんなも頑張ってる。私も頑張ろう」と切磋琢磨できたことは、とても大きかったです。
一人で過ごした4年半のアシスタント期間を経て、納得のデビュー
一人で過ごしていたアシスタント期間は「早くデビューしたい」「もう少し勉強したい」という気持ちで揺れ動いていました。私はもともと納得しないと次に進めない性格で、技術のチェックも「完璧な状態で合格したい」と思っていたんですよ。分からないまま、理解できないままでとりあえず手を動かす、というのが苦手で…。
例えば、技術チェックで80%の仕上がりのものを作って、先輩方が「あとは実践で経験を積もう」とOKを出してくれたとしても、納得がいかないと100%の完成度になるまで粘ってやり続けたりしていて、決して進みが早いタイプではなかったと思います。
私としては、独り立ちしたら大きな責任を抱えるわけですし、ベースをしっかりと作っておきたいという思いがあったんですよね。なので、4年半でデビューというのは、自分にとってはいいタイミングだったのかなと思っています。
スタイリストになって今年で2年。今ではたくさんのお客さまに恵まれていますが、最初の頃はすぐに予約枠が埋まるわけではなく、撮影のモデルさんが少しずつ来てくれて…というスタートでした。デビュー3〜4カ月後からインスタ集客が軌道に乗り始め、フォロワー数と共にお客さまが増えていきました。
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