カウンセリング、変えてみない? お客さまとのイメージ共有力が高まるカウンセリングアイデア3

ALBUMトップスタイリスト・積 大輔さんの場合

カウンセリングは順番命!! 5段階で行うカウンセリング会話術

 

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ただ単に話すだけのカウンセリングにだって、工夫のしどころはたくさんあります。教えてくれたのは東京・渋谷の『ALBUM』で中途入社1ヵ月目で、サロンが定めたトップスタイリスト昇格の規定客数を達成したという実力の持ち主、積 大輔(せき だいすけ)さん。カウンセリングでは自ら定めた5つの項目を、決して順番を変えずにすべてのお客さまにお話ししているそう。お客さまを虜にする会話の流れとは?

 

-積さんのカウンセリングは絶対変えない話す順番があると聞きました。どういうことを、どういう順番で話しているのですか?

 

そうですね。この順番で話したら、絶対にお客さまの悩みや希望も引き出せるし、提案するヘアスタイルに納得していただけるという、僕オリジナルの5段階のカウンセリングがあります。それはこういうものです。

 1、悩み、要望を聞く

ヘアスタイルに関してのお悩みや今日の希望を聞きます。

 

 2、今の髪の状態を説明する

ダメージの状態や乾燥の有無など。ただ状態を説明するだけでなく、なぜこうなっているかの理由までお伝えするのが大事。

 

3、今日の技術の説明

1で聞いたことと、2で話したことを掛け合わせて、今日必要なメニューを説明します。ブリーチ希望の方でも髪の状態が厳しければ、ハイライトを提案したり、ケアを間にはさむ提案をしたりと、代替案を提案することも。

 

4、自宅でのお手入れをヒアリング&アドバイス

自宅でのお手入れ方法を聞くと、髪の悩みやダメージの理由がわかることも。また3の施術をするうえで、自宅でのお手入れを約束してもらう必要があることもあります。

 

5、お顔の気になる点や目指す女性像を聞く

ヘアスタイル決定の最終段階。お顔立ちへの似合わせや、ファッションに合わせたヘアスタイルの提案につながります。

 

ファーストカウンセリングで全部話すこともありますし、施術しながら話すこともありますが、絶対にどれも抜かさないですし、順番も変えません。この順番で話すと、驚くほどすんなり話が進むんです。

 

-どうやってこの5段階のカウンセリングが生まれたのでしょうか。

 

僕、アシスタント1年目の頃からずっと店販売上げが1位だったんです。今やっているカウンセリングも、当時考えてやっていたこととほぼ変わっていません。どうしたらお客さまに自然な納得感を与えられるか、そして「いろいろ教えてもらえてラッキー」と思っていただけるか、というところから組み立てていった感じです。

 

とにかくお客さまにいろんなことを教えてあげたいんですよね。サロンにきて可愛くなったというだけでなく、お客さまが一生使える技術や知識も差し上げたい。だから髪の乾かし方も来店のたびに何度でもお伝えしますし、僕が勉強してきた毛髪科学や色彩についても、納得感を持ってもらうためにお客さまにお話しています。ポイントはそういった難しめの話も、楽しくわかりやすく話すことですね。

 

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-ていねいなカウンセリングに対するお客さまの反応は?

 

僕がたくさん話しているのもあって、僕のお客さまはみんなヘアケアやスタイリングなどについてすごく詳しくなっています。お客さまの髪に対する意識を上げるというのも大事だと思っているので、うれしいですね。

 

『ALBUM』に来て、10代、20代前半のお客さまに入ることも増えたのですが、若い方たちはていねいさにびっくりしています。でも学生世代の女性ほど、コンプレックスを抱えているので、この5段階のカウンセリングは悩みを引き出す上でも、ヘアスタイルやメニューに納得してもらううえでもすごく役に立っています。

 

-5段階のカウンセリングをやってみようと思った人にアドバイスをいただけますか。

 

会話の順番はとにかくクセづくまでやることです。そのうちすんなり話を展開できるようになります。あとお客さま側は思いがまとまりきっていない場合が多いので、話をまとめて言い直してあげるのもおすすめです。私の話が伝わっていると感じてもらえて、心を開くきっかけになると思います。あとは聞く内容が多いので、気をつけないとすごく時間がかかってしまいます。美容師側が主導権を持って、会話を回していくことが大切ですね。施術中にも補足してお話しする時間はありますから。

 

プロフィール
ALUBUM
トップスタイリスト/積 大輔(せき だいすけ)

兵庫県出身。HAIR ART阪神理容美容専門学校卒業。都内1店舗を経て、2017年1月より『ALUBUM SHIBUYA』にて勤務。サロン内最速の入社1ヵ月でトップスタイリスト昇格を果たす。

 

(取材・文・写真/福田真木子)

 

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