【上手くなりたいなら実験だ!】そもそも美容師が「実験」する理由って何!?(後編) —読むレッスン

実験っておもしろい! 身の回りでのプチ実験のススメ

 

 

pHってなんのことだっけ? いろんな物を測ってみよう

 

薬剤の強さや髪へのダメージを語るときに、よく出てくる「pH」。溶液の酸性、アルカリ性を表す数値で、7未満は酸性、7が中性、8以上がアルカリ性。写真のようなpH試験紙ロールで、普段使っている薬剤や、薬剤を塗布した髪、みんなの飲み物など、いろんなものを測ってみましょう。難しく聞こえていた「pH」が、身近なものに感じられて、薬剤のスペックも確認してみる気になれるかも!? ちなみに人間の体内は、弱酸性。健康な状態だと、試験紙が薄黄色になるはずだけど、どうでしょうか?

 

親水性と親油性。相性がよいものを探してみよう

 

 

親水性、親油性という言葉は聞いたことがありますよね? 髪の中にも水に親しみやすい性質の部分と、油に馴染みやすい部分があります。薬剤は効かせたい部分に合わせて、親水性、親油性がつくり分けられています。親水性、親油性を目で見て実感するには、スタイリング剤をとにかくいろいろ混ぜてみるのがおすすめ。自然に混ざるもの同士は性質が同じで、分離するものは性質が別のもの。最近ではスタイリング剤をミックスして使うことも多いので、ベストな組み合わせも見つけられるかもしれません。

 

鉄板の実験は、やっぱり自分の髪を使って!

 

 

自分やスタッフの髪の毛で実験的な施術をすれば、仕上がり時だけでなく、その後の経過や手触りもチェックできます。西戸さんは現在、ブリーチをした髪をアイロンで巻く場合、何秒間、そしてどのくらいの繰り返しまで髪が持つかを実験中だそう。しかも左右の髪で使用するアイロンを変えて、試しているのだとか。「何日か続けると髪が硬くなり、ウエーブがつきにくくなってきました。そこで何でだろうと考えるのが、次のステップというわけです」と西戸さん。

 

 

「上手くなりたいなら実験だ!」の前編、後編を通して、気分は高まりましたか? レッスン中や施術中に、なんでだろうと思った疑問。忙しいと放置してしまいがちですが、一歩踏み出して実験してみると、技術の向上や新しいスタイル提案にもつながるかもしれません。DADA CuBiCでは、後輩も巻き込んでチームで実験することもあるそうです。サロンのみんなを巻き込めば、楽しい実験イベントにもなりそうです!

 

プロフィール
DADA CuBiCトップスタイリスト
西戸裕二(にしど ゆうじ)

2001年、DADA CuBiC入社。理論的なテクニックに定評があり、美容専門誌にて技術連載企画などを多数担当。構築的なカットはもちろんのこと、やわらかなパーマスタイルも得意とする。D.D.Aの講師も務め、同アカデミーの広告、パンフレットデザインなども手掛ける。

 

 

 

(取材・文/福田真木子 写真/河合信幸)

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