キャリア20年の技術をSNSで磨き直す #ショートウルフ TONI&GUY橋口晃典さん#♡♡♡♡♡♡♡でTOPにでてきた人

月40本の撮影で得たものは、SNSの反響にとどまらない自分の技術への気付きだった

 

 

―投稿のことについても伺いたいです。インスタへの投稿は、お客さまとモデルさん、どちらが多いですか?

 

ほぼモデルさんですね。お客さまは1日10人以上担当することが多く撮影が難しいので、早朝や夜にモデルさんを呼んで動画を撮っています。たくさん撮影していた時期は、朝晩の撮影で月40本近く撮っていたこともあります。

 

―すごい回数ですね!?

 

自分がインスタを始めたときは、すでにバズっている美容師さんがすごくたくさんいる世の中になっていたので、追いつくには量をこなすしかないと考えていたんです。ネタ切れを防止にもなりますし、いろんな髪質やコンディションを経験できるので技術面でもメリットが大きいです。

デビューしたての美容師さんにとって一番つらいのは、「お客さまがいない」という状況。だったら、結果が出ても出なくても、手を動かし続けていたほうが清々しく前向きな気持ちでいられます。何もやらないほうが、かえって自分を追い詰めてしまうんですよね。

 

 

―橋口さんは、キャリアも長く、海外コレクションなどの経験もあるベテラン美容師さんだと思うのですが、そこからさらにインスタで集客をしようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

 

SNS集客を始める前は売上が月160万ほど。低くはないけれど、突出して高いわけではありませんでした。また、後輩に対して技術や接客の指導はできても、時代がSNSにシフトする今、その領域で助言できないというのは、先輩として少し物足りない存在になるのでは、という危機感もありました。先程お話しした、若手スタッフのインスタでの成功事例に触発され、実際やってみたことが大きな財産になっています。だからこそ、SNS集客の成功事例を自ら示し、後輩にも共有していきたいんです。

 

 

―実際の集客はどれくらい変化があったのでしょう?

 

ものすごく増えました。新規予約の方はほぼインスタです。インスタからのお客さまが増えると、カウンセリングも変わりました。

それまでは、「今日はどんな感じにしますか?」とふわっとした切り口でカウンセリングをすることがほとんどだったのですが、インスタからのお客さまの場合、ヘアスタイルが予約の決め手になっていることが明確なので、“どんなイメージを求めているのか”にしっかりフォーカスできるんです。自分のインスタがヘアカタログの代わりになるわけですが、自分で作ったものなので、「このスタイルをお客さまの髪質でやるとこうなります」というのが具体的に伝えられるんですよね。

 

 

―自分が作ったスタイルを見て来てくれるから、提案もしやすいんですね。

 

そうですね。例えばパーマ設計も段階的に考えられます。パーマって、髪質次第で目指したいスタイルに1回で到達できることもあれば、2回、3回とかけていく髪質もある。お客さまがショートウルフで、次はミディアム、最終的にはロングにしたいといことであれば、ショートの段階で1回、ミディアムで1回段階的にパーマをかけ、その間はカットだけのメニューにしましょう……というような提案がすごくしやすいんですね。

 

―次回提案にもつながりやすくなるんですね。投稿内容で工夫していることはありますか?

 

顔周りは必ず見せるようにしています。ウルフスタイルは横からのシルエットが特徴的ですが、本人がウルフ感を楽しむことができるのは正面から見た時。そこで重要になるのが、サイドの長さと襟足の見え方です。投稿の1枚目には横からのアングル、2〜3枚目には動画で顔周りを見せるようにしています。ただし、正面を強調しすぎると、モデルのイメージに引きずられて、お客さまが自分に置き換えにくくなるので、そのバランスは調整しながら撮影しています。

 

人気のウルフパーマ投稿

 

―SNSをやってきて、集客以外に良かったことはありますか?

 

自分の技術を客観視できることです。こういう言い方をするのはよくないのかもしれませんが、投稿しながら「もっとこうしたほうがよかったかな」とか「こういうやり方もあるな」毎回あたらしい発見があるんです。技術を研ぎ澄ませるツールになっています。

 

>SNSへの注力を経たことで、クリエイションとサロンスタイルも循環しはじめた

 

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