三鷹のさわやか農業男子が歌舞伎町のサロンに9年間通い続ける理由

農業を「感動、稼げる、カッコイイ」の3K仕事にしたい

 

 

美容師さんと同じように、果樹農家の仕事でもハサミをよく使います。果物により多くの栄養源が集まるように、不要な枝やつぼみ、実をハサミで切り取っているんですよ。

 

最初のころは、どこの枝を切っていいのかわからずに悩んでばかりで、気がついたら日が暮れている…なんてこともありました。でも、経験を積むことによって、どこを切ったら、その結果、果物がどうなるのかわかるようになってきます。やればやるほど上達して、おいしい果物をつくれるようになるんです。

 

質の高い果物ができると、お客さまに「おいしいからまた買いにきたよ」など、うれしい一言をいただくことができます。実が大きく、甘くなると、その分、高く買ってもらえるので、収入も増えます。天候に左右される部分もありますけれど、一生懸命やれば果物がそれに応えてくれます。

 

 

ちなみに、僕はほかの農家さんから「あんまり日焼けしていないけれど、本当にちゃんと働いているの?」と言われることがあります。実は、紫外線対策のために、作業をするときは必ず北を向いて、日差しをよけながら作業をしているんです。

 

それと、毎朝、髭を剃るのが嫌なので、髭の永久脱毛もしています。農業っていわゆる「きつい、汚い、稼げない」の3Kのイメージがあると思います。僕はそれを「感動、稼げる、カッコイイ」に変えたいから、身なりにも気を遣っているんです。

 

農作業中は人と話すことが少ないので、施術中に話すのが好き

 

 

お世話になっているヘアサロンは新宿にある「AXY」さんです。かれこれ9年くらい通っています。きっかけは、『MEN’S KNUCKLE(メンズナックル)』(ミリオン出版)というファッション誌の巻末に、お店の名前と住所が出ていたから。その当時の僕は、今と違って髪が長かったんです。

 

AXYに通い始めてから今まで、担当の美容師さんは何度か変わりましたけれど、それでもずっと通い続けているのは、居心地がすごくいいから。アシスタントさんを含めてみなさん知識が豊富で、技術もあるから安心して任せられますし、ほどよい距離感がいいですね。きちんと礼儀を踏まえたうえで、フレンドリーに接してくれます。

 

農業って一人でもくもくと手を動かすことが多くて、話す相手があんまりいないんです。だから、髪を切ってもらっている間は、世間話から恋愛トークまで幅広い話題で盛り上がっています。「前、付き合っていた彼女にかなり振り回されて…」とかそういう突っ込んだ話をすることも(笑)。

 

今、担当してくださっているのは笠原ももこさん。僕が「ちょっと短くしたい」と曖昧なオーダーをしても、ヘアカタなどを見ながら「こういう髪型が似合いますよ」と髪質や顔のかたちにあった髪型をつくってくれます。阿吽の呼吸というか、もう完全に信頼してお任せしていますね。

 

本当にAXYは、いつ行っても居心地がいいし、確かな技術もあるサロンです。それに見習い、僕も島田果樹園も居心地のいい農園したいな、と思っています。

 

♦♦♦美容師への応援メッセージ♦♦♦

 

 

AXYのみなさん、いつも素晴らしい時間を過ごさせていただき、ありがとうございます。果物づくりも、美容師の仕事も、大事なのは「心技体」を整えることだと思います。技術があっても気分が落ち込んでいたらうまくいかないし、体力があっても技術がなければ満足のいくものがつくれません。心のバランスを整えるという意味では、髪はとても大切。髪のセットが決まると、1日通して気持ちいいです。ありがとうございます。美容師さんも果樹農家もハサミを使う仕事。お客さまに感動していただけるように、お互い頑張りましょう!

 

( 取材・文/外山 武史  撮影/菊池 麻美)

 

プロフィール
島田果樹園
島田 穂隆 (しまだ ほたか)

東京都三鷹市の島田果樹園で、キウイやぶどうの栽培をしている。主なキウイの品種は、「東京ゴールド」、ぶどうの品種は「シャインマスカット」。併設されている直売所で、果物の対面販売をしている。
https://www.facebook.com/shimadakajuen/

 

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