自分の「軸」を持とう。「誰かのコピー」で終わらない。 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき7つのこと」〜 VeLO 赤松美和

3つ目:街ゆく人の髪型を観察しよう

私は今でも、街を歩いているときや、電車に乗っているとき、自然と人の髪型を見てしまいます。それはもう、職業病というよりも、美容師として当たり前の感覚です。
目の前にいる人の髪を見て、この人はどんなカットをしているのか、どこにボリュームを出しているのか、もし自分が切るとしたらどう整えるか。そんなふうに考えるのが、私にとっては日常のトレーニングなんです。
最近は、みんなスマホを見ていて、周りにあまり目を向けなくなったように感じます。でも、美容師って、人の髪に触れる仕事なんです。だったら、リアルな髪型を日々観察しておくのは当然のこと。おしゃれな人だけを見るんじゃなくて、街の中にいるいろんな年代や雰囲気の人たちの髪に目を向けることで、引き出しがどんどん増えていきます。

私は特別なことをしているとは思っていません。ただ、目の前にある“学び”を見逃さないようにしているだけ。美容師である以上、それくらいの意識は持っていてほしいなと思います。だって私たちは、髪を扱うプロなんだから。

4つ目:自分は何が好きか、どんな美容師でいたいかを知ろう

私は、20代のうちに一度は立ち止まって考えてほしいと思うんです。自分は何が好きなのか、どんな美容師でいたいのかって。
情報が溢れている今は、目の前にあるものにただ流されてしまいがちです。SNSでバズっているから、「いいね!」がつきやすいから、それを選ぶ。もちろんそれも一つの選択だけれど、それが本当に自分の好きなものかどうかは、別の話です。
本当の自分の「好き」は、誰かに聞いてもわからないし、スマホの中をいくらスクロールしても出てこない。足を運んで、見て、感じて、行動した先にしか見えてこないものです。
どんな美容師でいたいかも同じです。技術にこだわりたいのか、世界観を表現したいのか、信頼関係を築くことに喜びを感じるのか。
自分が大事にしたい軸を見つけることは、この仕事を長く続けていく上で、必ず支えになります。