人と美容に誠実であること。その先に、本物の強みが生まれる。〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき8つのこと」〜Belle 飯田尚士

5つ目:「自分は天才じゃない」という”気づき”がスタート

美容師になりたての頃は、誰もが「自分は売れる」と未来を想像します。スタイリストデビューすれば売れると、信じてしまうんですね。もちろん、実際に若い頃から売れっ子になる人もいます。僕自身も、スタイリストデビューしてすぐに売上が上がり、勘違いしていた時期がありました。
でも、ほどなくしてその勢いは止まりました。そこで気づいたんです。「自分は天才じゃなかった」「普通なんだ」と。そこから初めて、誰よりも努力できるようになりました。勢いよく売れても、いずれ必ず「自分は天才じゃなかった」と気づく時期がきます。みんな同じです。その“気づき”がスタートで、そこからが本当の勝負です。

また、“センス”は才能の部分もあると思いますが、僕は努力で育てられるものだと思っています。服もメイクも、自分に投資して磨いていけば、1年目にセンスが感じられなかった人でも、デビューする頃にはしっかり洗練されています。逆に、自分を磨くことを怠れば、最初は良くても10年後に大きな差がつく。努力は、必ず自分に返ってきます。

6つ目:売れているスタイリストを観察しよう

僕は若い頃、「自分のやり方で売れる」と信じていました。でも、それは間違いでした。売れている人をよく観察してみると、接客もアシスタントとの連携の取り方も、まったく違うんです。
例えば、背の低いアシスタントと一緒にブローしているときには、椅子を下げてあげる。そんな細かい配慮を自然にやっているんですね。そうすると、アシスタントは感動して、「この人のお客さまを増やしてあげたい」と思うようになる。技術が上手いだけでは、売れません。実際、カットがすごく上手いのにお客さまがつかないスタイリストもいれば、技術では及ばなくても、多くのお客さまに支持されているスタイリストもいます。技術だけが理由ではないんです。
そして、「続けること」もとても大切です。売れるまで続ける。最終的に残るのは、粘り強い人。売れるタイミングは人それぞれですが、上を向く時期は必ずやってきます。