好きなことをやる。人や世界に触れる。想像力と感性でカットは上手くなる。 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき6つのこと」〜 BEAUTRIUM 川畑タケル
3つ目:ウィッグより、人を見よう

自分は、ウィッグで練習したこと、一度もないんです。
でも、人の髪はめちゃくちゃ切ってた。「この子をもっと可愛くしたい」「彼をカッコよくしてやりたい」って、そればっかり考えてたな。人って一人ひとり違うじゃない? 髪質も骨格も、雰囲気も全部。だから、どう似合わせるかを毎回真剣に考えてた。毎日が本番だったし、だからこそ手を抜けなかったんだよ。

“練習のための練習”なんて、やったことない。人にちゃんと向き合って、その人をもっと素敵に見せたいって思いながら手を動かす。そっちのほうが、断然おもしろいし、うまくなると思う。

4つ目:想像力こそ、美容師が持つべき技術

カットってさ、ただカタチをつくるんじゃなくて、未来を想像しながらやるもんだと思ってる。
今だけキレイに見えても、1〜2カ月後に形が崩れて「なんか変」になってたら意味ないでしょ? だから「この人の髪、どう伸びていくか」とか、「どんなふうに毎日を過ごしてるか」まで想像する。どこにボリュームが出やすいか、どう乾かすクセがあるか、仕事のときにまとめるのか下ろすのか、そういうのも全部考える。

そうやって暮らしにフィットするカットをしてあげると、スタイルが長持ちするし、「最近なんか髪、いい感じなんだよね」って言ってもらえる。それがいちばん嬉しいんだよ。
お客さんの未来を想像して切るのが、美容師としての本当の技術なんじゃないかな。
