結果を追うより自分を磨こう。磨き続けた先に理想の自分は現れる。 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき8つのこと」〜 MINX 岡村享央

20代は、美容師として、そして社会人として花開く土台をつくる時期。自分の理想とする美容師人生を長く続けるために、20代のうちにやっておくべきことがあるはずです。そこで、美容業界のレジェンドと呼ばれる方々に「これをやったから今の自分がある」「今の時代の20代だからこそやるべきことがある」など、今後の美容師人生を豊かにするためのヒントを語っていただきました。
今回は、株式会社MINX worldを率いる代表取締役社長・岡村享央(おかむら たかひさ)さん。日本を代表するヘアサロンの代表を務めるだけでなく、現役の技術者としても「KAMI CHARISMA(カミカリスマ)」三つ星を5年連続で受賞、JHA新人賞や準グランプリを受賞するなど、今も進化を続けています。そんな岡村さんに、20代の美容師に伝えたいことを伺いました。

1つ目:質の高いベーシックを身につける

美容師として長く活躍するための基礎は、すべてベーシックにあります。20代のうちに、正しい姿勢・シェープ・展開図・カットラインを身体に染み込ませること。基本をおろそかにすると、後になって必ず壁にぶつかります。技術とは、地道な反復の先に身につくものだと考えています。
どんなトレンドにも応用できるのは、基礎を正確に理解している人だけ。「質の高いベーシック」こそが、自分の表現を支える土台になります。どこで質の高いベーシックを学ぶかが、その後の美容師人生に大きく影響します。20代の美容師に肝に銘じてほしいことです。

2つ目:学び直すことを恐れない

かくいう私も32歳のとき、もう一度ベーシックを一から学び直しました。当時、ショーや撮影の仕事で一定の評価をいただいていましたが、その一方で技術の限界も見えはじめ、その壁を突き抜ける必要性を感じ始めていました。そこで原点に戻って1年間で200体以上のウィッグをカットし、練習を重ねました。
「もう一度やり直す」と決めたことで、技術の理解が何倍にも深まりました。成長とは、過去を否定することではなく、過去を更新すること。
これは20代に限らず、すべての世代に通じることですが、学び直す勇気が次の自分をつくります。