本を読み、人に学び、世界を見ろ。美容師人生は20代で決まる 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき8つのこと」〜 STRAMA 豊田永秀

20代は、美容師として、そして社会人として花開く土台をつくる時期。自分の理想とする美容師人生を長く続けるために、20代のうちにやっておくべきことがあるはずです。そこで、美容業界のレジェンドと呼ばれる方々に「これをやったから今の自分がある」「今の時代の20代だからこそやるべきことがある」など、今後の美容師人生を豊かにするためのヒントを語っていただきました。
今回は、南青山にあるハイクオリティサロン「STRAMA(ストラマ)」を率いる豊田永秀(とよだ ながひで)さん。JHAをはじめとした数々のヘアデザインコンテストで受賞歴を持ち、アンティークや植物、はては爬虫類にも深い造詣を持つ、多彩な感性の持ち主です。修行時代に培った経験と、いま若手美容師に伝えたい大切なメッセージを語ってくれました。

1つ目:とにかく技術を素早く習得する

美容師としての土台は技術に尽きると思う。だからこそ、まずはウィッグでとことん反復練習を積み重ねてほしい。1年目のうちに「とにかく早くウィッグでのベーシックを卒業する。」そのくらいの覚悟で向き合うことが大事。
ひとりで黙々と練習しているだけでは、どうしても限界がありますよね。自己流になったり、癖がついたりする。だからこそ、「できた気」になって満足せず、必ず先生や先輩に「これ、どうですか?」と聞いてみてほしい。そうやって客観的な視点を積み重ねることで、自分では気づけなかった課題がどんどん見えてくる。この繰り返しこそが、技術の上達を何倍も早めてくれるんです。

2つ目:美容師以外の友達をたくさんつくる

僕自身、20代前半まではスタッフとばかり一緒にいて、毎日のように飲んで過ごしていました。でも、ある時ふと「外の世界にも目を向けなきゃ」と思ったんです。
異業種の友人ができると、本当に世界が広がります。たとえば僕の場合、家具や植物を扱う人との出会いが、お店の空間づくりに役立ったし、モデル志望やカメラマン、雑誌編集者とのつながりが、ヘアメイクの依頼や雑誌撮影のチャンスにつながっていったんです。こうした出会いって、ただの友達づきあいじゃなくて、のちの人生や仕事に直結する財産になる。
美容師だけのコミュニティに閉じこもってしまうと、どうしても視野が狭くなりがち。だからこそ、20代のうちに積極的に異業種の人と出会って、友達になってほしいんです。その人たちが、将来どんな場所で活躍しても、きっとあなたの力になってくれるはずだから。