本を読み、人に学び、世界を見ろ。美容師人生は20代で決まる 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき8つのこと」〜 STRAMA 豊田永秀

5つ目:本を読み、視野を広げる

美容師の世界にいると、つい身近な情報や人間関係の中だけで完結してしまいがち。だけど、本を読むことで外の世界に触れると、考え方や視野がぐっと広がります。僕自身も、何度も本に助けられてきました。直接「答え」が書いてあるわけじゃなくても、「あ、こういう見方もあるんだ」と視点を変えられるだけで、不思議と前に進む力になるんです。
20年近く前に髪を切りにきてくれた若い美容師だったか、美容学生だったか、普段は担当しないのですがその時たまたま担当したことがあって、カット中に面接みたいになっちゃったんです。話していくと「謙虚、感謝、志」がなかなか感じられずだんだん腹が立ってきちゃって、お説教みたいなことを偉そうにしてしまいました。その後その方は何かの記事で読んだ時に想像を絶する量の本を読み、そして美容師として成功し、その後独立して今は超有名なサロンのオーナーさんになっています。

今の若い美容師さんたちは、SNSや動画からいくらでも情報を得られる時代に生きている。でも、それでもやっぱり「本の深さ」は特別。20代のうちに読書の習慣を持てるかどうかで、その後の成長スピードは確実に変わるはずです。

6つ目:一人旅で世界を体感する

ぜひやってほしいと思うのが「一人旅」。できれば海外。先進国でも発展途上国でも、自分の知らない世界に飛び込んでみてほしい。一人だと、孤独も不安も全部自分で受け止めるしかない。その分、現地の人や文化にダイレクトに心を揺さぶられます。
僕も若いころ、旅先で怖気付いた経験があります。入り口に強面の人がたむろする現地のバーに入れず、怖くて引き返してしまったんです。でも次の日、勇気を出して足を踏み入れてみたら、見知らぬ人がすぐに歓迎してくれて、一気に世界が広がった。自分なんてちっぽけだと気づいて、日本で悩んでいたことが小さく感じた瞬間でした。
言葉が通じなくても必死に会話したり、文化の違いに戸惑ったり。その全部が自分の糧になる。一人旅での出会いや体験は、後から大きな財産になるんです。だから若い美容師には、声を大にして言いたい。「絶対に一人で旅に出ろ」って。