「今やらずに、いつやる?」最初の10年が、輝く未来をつくる 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき七つのこと」〜 FaNNa ginza 塚本 繁

 

20代は、美容師として、そして社会人として花開くための土台を築く時期。長く、自分らしい美容師人生を続けていくためには、若いうちにやっておくべきことがあるはずです。そこで、美容業界のレジェンドと呼ばれる方々に、「これをやったからこそ今の自分がある」「今の時代の20代だからこそやるべきこと」など、未来の美容師人生を豊かにするためのヒントを語っていただきました。

 

今回は、美容界のレジェンド、FaNNa ginza (ファンナギンザ)・塚本繁(つかもとしげる)さんが語る「成長する20代美容師がやるべき七つのこと」。20代前半から国内外で活躍し、数々の実績を残してきた塚本さん。自身の経験をもとに「見る」「飛び込む」「漬かる」など、今だからこそ体得すべき学びと覚悟を、優しく、熱く語ります。ぜひ、若き美容師のみなさんに読んでいただきたい内容です。

 


 

一つ目:見て、学んで、考える習慣をつくる

 


美容専門学校時代、少しでも早く現場に慣れたいと思い、美容室でアルバイトをしていました。掃除、洗い物、たまに男性客のシャンプーの手伝い。裏方作業の繰り返しでしたが、そのぶん先輩の仕事の一挙手一投足を間近で「見る時間」が誰よりも長かった。

 

ただ見るだけでなく、ピークタイムには、どのタイミングで道具を渡せばスムーズか、次のシャンプー動線はどう組めばいいかを考え、常に現場の動きを先読みしていたんですよね。

 

当時、営業後大量のシャワーキャップを洗い、拭き、干す工程を目の当たりにし、「これをもっと効率化できないか?」考えて閃きました。翌日にはクリップを購入してもらい、ボイラー室に干す仕組みを提案。結果としてひとつの作業を丸ごと削減できただけでなく、「お客さまの快適さ」や「スタッフの負担軽減」といった視点を経験し、若いうちから肌で覚えていきました。

 

ただ眺める。それだけの時間が、後の自分にとって最高の教科書となり、見て学んだ感覚が今も技術と発想の源泉だと、あらためて思います。

 

 

二つ目:異世界に飛び込み、のたうち回れ!

 


卒業旅行で訪れたロンドン。初めて見る街並み、聞き慣れない英語、サロンの空気──すべてが新鮮で、直感的に「ここに住みたい!!」と心が沸き立ち、そのまま2年間の留学生活を決断しました。

 

語学は中学生レベル、カット技術も未熟。それでも現地では、ハイライトもカラーも日常の施術でした。アルミホイルを使う技術に初めて触れ、やり方もわからないまま見よう見まねで試し、失敗することも度々ありました。注意されるたびに、その都度、他のスタイリストの細かな動きや手順を見て、身体に叩き込んでいったんです。そこで痛感したのは、「若いうちは失敗できる」ということの貴重さです。21歳だったから許されたミスも、30歳を過ぎてやっていたらお話になりません。

 

異文化の中で自分を解放し、“いつものやり方”を捨てて挑戦してみる。その決断こそが、成長の加速装置になる。そしてこの経験が、今もなお「挑戦を恐れない自分」の土台になっています。

 

>三つ目:美容漬けの毎日をつくる

 

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