営業も遊びも全部学びに変え「リアル」にこだわる 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき7つのこと」〜 Rougy 上原健一
3つ目:ウィッグよりモデルを切る

若かりし頃の僕は、営業が終わったら、毎晩のようにモデルを呼んでました。僕にとっては、それが“自分のサロン”みたいな感覚でした。
「練習だから切らせて」じゃなくて、「僕があなたをちゃんとキレイにするから」って気持ちで向き合っていたんです。多少下手でもいい。人の髪を切って、人に喜んでもらう経験のほうが、ウィッグを相手にするより何倍も身になると。
モデルも1人じゃなく3人4人と来るから、後輩のアシスタントも呼んで、シャンプーやカラーをやってもらっていました。少しギャラも渡して。そうやって夜のモデル施術を教育の場にもしていた。営業中じゃできないことを、そこで経験できるようにしていたんです。
その積み重ねが大きくて、スタイリストデビューしたときには、すでに売上がついてきていました。ウィッグを何十体切るよりも、モデルを一人切るほうが成長する。これは間違いないと思います。

4つ目:クラブも映画も全部“美容の栄養”に!

20代前半は、とにかく遊んでいました。クラブに行って、服を見に行って、映画を観て。でも今思うとその全部が勉強だったと思います。
当時はネットも今ほど発達してなかったから、自分で動いて情報を取りに行くしかなかった。クラブで出会ったモデルをカットしたり、ショップ店員と話してファッションの空気を感じたり。そういう体験が全部“美容の栄養”になったと思うんです。
映画もよく観ていました。仲間とTSUTAYAでDVDを借りて、一晩中観ては語り合う。アメリカ映画の爽快さもあれば、フランス映画みたいに「これ結局なんだったんだ?」って作品もありました。でもその映像の空気感や雰囲気を感じておくことが、撮影のときに絶対役立ちます。
遊びもカルチャーも、ただの息抜きじゃない。そこで出会った人や感じたものが、感性を広げて、スタイルづくりの引き出しになるんです。