MINXの“現場力”は、いかにしてクリエイティブへ昇華されるのかーー「感謝」と「愛」を原点に、和田流星が切り拓く次世代表現
老若男女に対応する現場力と、副店長としての“人を育てる”役割
――現在は、どんなお客さまが多いですか?
最近はパーマが増えましたが、ボブも多いですね。あとは異動や退職などで先輩から引き継いだお客さまもかなり多いので、実は年齢層もすごく幅広いんです。メンズ特化の先輩のお客さまも8割ほど引き継いだので、毎日刈り上げもしています(笑)。上は70代のお客さままでいらっしゃいます。

――副店長に就任したのは?
2023年です。副店長としての役割は、新人スタッフの悩みを聞きながらケアし、導いていくこと。実は、この役割は自分にとても合っていると感じています。以前、社内でメンターを任せていただいた時期があり、その際はスタッフの離職率が目に見えて下がりました。長く関わってきたスタッフが、今もいいマインドで働いてくれているのを見ると、やってよかったなと思います。

――メンターとしての教育はどのように?
メンター会議があって、経験豊富な先輩からアドバイスをもらえるんです。それを素直に実行してきました。みんな何かしら悩みを抱えていて、技術だけじゃなく、プライベートのことや手荒れの悩みなど、本当にさまざまです。人に興味があるので話を聞くのは苦じゃないですし、この役割を通して、スタッフのことがより好きになりました。
青山店から湘南へ移った安田(MINX The pass代表・安田幸由)は、特に尊敬している先輩の一人です。誰もが敬遠しがちな役割にも率先して手を挙げ、行動で示してきた姿勢は、本当にかっこいいと思っていました。安田が抜けたあと、「じゃあ次は自分がやろう」と自然に思えたことも、副店長を引き受けた理由の一つです。

モデルのリアルから物語を紡ぐ、和田流クリエイティブ

――クリエイティブに力を入れ始めたきっかけは?
先輩が武道館のステージに立っているのを見たときに、「めちゃくちゃかっこいい」と思ったのがきっかけです。そこから見よう見まねで学び、実践を重ねてきましたが、思うように結果が出ず、悩む時期も長かったです。転機になったのは、あるコンテストで2位を獲得できたこと。その経験をきっかけに苦手意識が薄れ、「自分にも可能性があるのかもしれない」と感じられるようになりました。
さらに大きく取り組み方が変わったのは、岡村(MINX代表・岡村享央)がクリエイティブチームを作って、約2年間にわたって指導してくださったことです。DA-NEXTコンテストでの入賞を目標に挑みましたが、結果は届かず。その悔しさが、かえって自分の中に火をつけました。支えてくれた人たちに、いつか恩を返したい——そんな想いが、今も原動力になっています。

――作品づくりで意識していることは?
一番大事にしているのは、自分にしかできないオリジナリティです。誰かの作品の真似から始まる表現は、できるだけ避けたい。まずモデルを決めたら、アンケートで好きなことや人となりを知ります。そこからイメージを膨らませて、テーマを決めていくのが僕のスタイルです。今つくろうとしている作品も、読書好きで少し猫背なモデルさんから、ある有名な小説にたどり着いて。その時代背景や物語を、令和の感覚で落とし込んでいく予定です。
昨日も、表情がないモデルを見て思い浮かんだのが、ウルトラマンのダダ星人(笑)。そこから調べていくと、ダダイズムという思想に行き着いて、既成概念を壊す価値観がすごく刺さったんです。ただ、テーマに縛られすぎないことも大切にしています。最終的に、主役はヘアデザインなので。その奥に世界観があれば、より面白いなと思っています。
